奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。
片付けというと、ものを捨てる作業がメインに見えますが、「ものを使い切ることで減らす」もぜひ取り組みたいことです。本日は、こちらについてお話したいと思います。
使わずに捨てるのが嫌な場合は、使い切って減らす
片付けでは、ものの収納場所や方法を考える前に、まずは不要なものを手放していきます。ですが、使わずに捨てるのは罪悪感を感じて、進めないこともあります。
そんな場合におすすめするのが、「ものを使い切ることで減らす」です。
すなわち
- 「ストックが過剰なもの」「いつか使うもの」は、積極的に使い、消費していく
- それらが適切な量に減るまでは、同じ機能のものは買い足さない
です。
「捨てる」よりもかなりペースは落ちますが、空きスペースは着実に増えていきます。
メリットは「長い目で見て、ものを減らす効果が大きい」
「ものを使い切って減らす」は、捨てるのに比べ、空きスペースができるのは遅いのですが、長い目で見て、過剰なストックをなくし、将来の余分なものを減らす効果があります。
意識してものを使い切ろうとすると、
- 実際に使い切るのは大変
- 今までよりストックを減らしても、不安に思う必要はない
- 量はこんなにいらない
と肌で感じることができます。そこから、所持量の適切なコントロールにつながります。
特に、片付けが必要な家族が、
使い切れないほどストックがあるのに、捨ててくれない
とか、
セールの度に、気軽に買い足してしまう
という場合は、言葉だけ・論理だけで説得するよりも、実際に使い切ってもらうのが、(今だけでなく将来的にも)ものを減らす最短ルート、というのはよくあります。
他にはこんなメリットも
前章でお話したメリットに加えて、「使い切る」には、こんなメリットもあります。
節約
手元にある分を使うことで、ものを新たに購入せずに済むので、節約につながります。
ただ、いくら節約とはいっても、部屋にものが多すぎて危険だったり、消費期限内に使い切れそうにない量であれば、逆に負担になっています。捨てるのも選択肢です。
少し荒い言い方になりますが、そうまでしてこだわるほどの金額か、捨てない場合の不便も思いつつ、考えてみるのも一つです。
環境への負荷軽減
ものを使い切ることは、環境への配慮の面でも望ましいことです。ものを使い切ることで、ごみの量を減らし、地球環境への負荷を軽減することができます。
ものを使い切るためのセッティング
ものを使い切って減らそう!と思っても、いざ実際に使い切ろうとすると、セッティングが必要なこともあります。
「いつも使っているものが、いつもの場所に多くあるだけ」なら、これまで通り使って、購入のタイミングを遅らせるだけで大丈夫です。
でも、例えば
「もらった試供品のシャンプーが、お風呂ではなく寝室にある」
だと、いつも使うお風呂まで移動しないと、この試供品はなかなか消費できません。
しかも、お風呂に移動した後も、
- いつものシャンプーはポンプひと押しで使える
- 試供品や使い切りアメニティは手で開けないと使えない
ので、何かと使いそびれてしまいがちです。
忙しい日常では、いつもと違うことはなかなかしづらいものです。試供品やいただきもの、いいなと思ってつい衝動買いしてしまったものなど、「我が家の定番品と違う」ものは、積極的に使う工夫が必要です。
具体的には、次のようにします。
- とにかく見えるところ、手の届くところへ移動。または、「いつも使っている分」の手前や上に置く
- パッケージを開ける、外すなどすぐ使える状態にする
以前、自分の家の片付けで、ポケットティッシュが大量に出てきたことがあります。この余剰分を消費するために、私はポケットティッシュの中身だけ出して、いつも使うボックスティッシュの上に置いていました。
我が家では、外ではティッシュをほとんど使わないのですが、家の中では割と使います。ですので、こうすることで、余分なポケットティッシュを忘れずに有効活用しつつ、消費できました。
使い切るのがしんどいのを実感したら、「捨てる」へ
以前に「そのうち使う」ものの片付けについて書いた以下の記事でも触れましたが、私は
「使い切るのがしんどいと感じたら、もう処分してください」
と、片付けの現場でもよくお伝えします。
使わずに捨てことのに罪悪感を感じる場合は、
自分なりにものに誠実に対応しようとした
という事実があると、前に進みやすくなります。また、使おうとした努力を誰かが認めてくれると、さらに楽になります。
自分が片付けを手伝う立場である場合は、「ものへの義理は果たしていると思う」「十分頑張ったと思う」とぜひ言ってあげてください。片付けるご本人の気持ちの負担を減らすことができます。
当ブログでは、引き続き片付けのための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。