片付けの先延ばしを防ぐために…スケジュール作りのポイント、遅れを防ぐコツ

奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。

「片付けはやめる」にならないためにも、片付ける本人のペースに合わせないと…でも、ずるずると先延ばしして、いつまでも進まないのも困る…そんな状況はよくあります。本日は、先延ばしを防ぐための、スケジュール作りのポイントについてお話します。また、作業の遅れを防ぐコツについても触れます。

目次

先延ばしにされがちな片付け

片付けは、何かと後回しにされがちです。片付けようと思いつつ、気が付くと10年以上手付かずで…ということも普通にあります。

そして、そんな状況から一大決心をして片付けを始めた後も、先延ばしとの攻防は続きます。

片付け作業では、出し入れ等の動作や、要・不要の判断がありますが、これらだけでも体力をかなり使います。加えて、ものを捨てる痛みや罪悪感、過去の買い物への反省や恥ずかしさなど、感じるのがつらい感情にも直面することになります。

ですので、前の続きに取りかかろうと思うまでがまず大変です。(面倒なことを先延ばしにしがちな場合は尚更です…)片付けを一日でやり切ってしまう場合を除けば、先延ばしをうまく防ぎながら継続してもらうのは重要です。

片付けのスケジュール作りのポイント

こうした中、先延ばしを防ぐ一環で行いたいのが、片付けのスケジュール作りです。定番ですが、期限をきちんと決めるというのは、先延ばしへの対抗策として強力です。

スケジュール作りといっても、最初から最後までの壮大・詳細な計画表を作成しなくて構いません(ただし、後述しますが、何日かまとまって作業する場合は、各日のざっくりした予定の作成をおすすめします)。

あまり本格的すぎるもの、きっちり詰めたものを作っても、ご本人がプレッシャーを感じて意欲がなくなってしまい、これもまた先延ばしの原因になります。これからするお話も、詳細な計画以前のざっくりしたものです。

それでは、片付けるご本人と、片付けのスケジュールを作る際のポイントを3つ紹介します。

  • 片付け全体をいつまでに終えたいか、希望を聴く
  • 各作業や場所の期限も、無理がなさそうなもので決める
  • 一緒に作業する際の計画はこちらが立ててあげる

以下、詳しく解説していきます。

片付け全体をいつまでに終えたいか、希望を聴く

ご本人と話し、どれぐらいの期間をかけて片付けを進めたいか、いつまでに終えたいか、希望を聴きます。そして、「この日までに終える」という目標を決めます。

「ご本人が納得して決めた」というのが大切です。そのため、片付け期間は、ご本人も「さすがにそれぐらいの期間内にはどうにかしないと」と思うぐらいの長さで設定するようにします。何か月、ではなく1年以上で設定するのもありです。

1年と聞くとご本人も最初は長いように感じますが、実際はあっという間です。目標を1年と設定しても、ご本人の納得を大切にしながらだとどうしても時間がかかりますし、実際は完了まで2年以上かかることもあります。

 手伝う側は、そうした延長の可能性や、思いがけず時間がかかるのに気づいたご本人がスピードアップを意識するのを想定しつつ、当初目標は短すぎない期間で設定します。

各作業や場所の期限も、無理がなさそうなもので決める

全体だけでなく、各作業、あるいは場所やものの種類といった小さい単位でも、期限を決めると進めやすくなります。

なお、片付け全体の期限は、先ほどお話したように、ご本人の意向を汲みながらになりますが、細かい各部分の期限は、全体のときよりも、手伝う側がリードして決めるのをおすすめします。

そして、各部分の期限を、例えば

  • 〇月の終わりまでは床置きで積んであるものの仕分けをして、次はこの棚
  • フリマアプリで売る以外の不要な本は、今月終わりまでにまとめて買取を申し込む

といった具合で提案します。

これらと並行して、次に片付けを手伝うまでの間に、「この棚の3段目」「今日集めた古本の売却」といった片付けの一部を、ご本人に進めておいてもらう、というかたちをとることもできます。

なお、期限の伝え方ですが、「時間があったら」「できれば」という言い方でぼかしてしまうと、しなくていいものとみなされがちです。逆に、「すぐに」「明日までに」など、否応なしに即しなければならないとなっても、それはそれでやる気がそがれ、先延ばしにつながることがあります。ですので、各期限は「〇月末」など具体的で、かつ無理がなさそうなもので設定します。

特に不用品の売却などは、ご本人も充分だと感じる長さで期限を設定すると、できなかった際に

「これだけ期間があったのにできなかったし、売却は自分には難しそうだ…捨てる方がいいのかもしれない…」

と、現実的な方向へ転換するきっかけにもなります。

一緒に作業する際の計画はこちらが立ててあげる

例えば丸一日×4回など、何日かかけてまとまった時間を手伝えることになった場合は、この日は何に取り組む、どこまで終えるのを目標にするといった、大まかなスケジュールを作ってあげるのがおすすめです。

こうすると、例えば、

その日にここのクロゼットを片付けて、不要な服も処分するから、それに間に合うように、他の部屋にある服も仕分けておこう

少し遅れたから、次までにその分を進めておこう

等のモチベーションにつながり、先延ばしを防ぎやすくなります。

とはいえ、思うように進められない場面も多く出てくるので、細かく作りすぎない・高望みはしすぎない方が、手伝う側もご本人もストレスを少なくできます。

また、手間にはなりますが、日程表を作って紙に打ち出すなど、目に見えるかたちにしてご本人に渡すと親切です。耳で聞いただけでは記憶に残りにくいという方でも、今後の流れを意識してもらえます。

片付けるご本人は、先が見えないとなると不安が大きくなりやすい…そんな場合があります。そして、計画的に進めていくのが苦手な場合もあります。させてもらえる範囲で、積極的に計画を立ててあげると、早く、落ち着いて前に進めます。

ただし、手伝い日以外の、ご本人が一人で片付ける際の日程表まで作るのは、ご本人のストレスになり得ます。進む遅さが気になったとしても、ご本人が望んだ場合を除き、日程表は基本的には手伝い日に限定するのをおすすめします。

なお、次の片付け日の話も、こちらから積極的に出します。毎回の作業終了時に、次の片付けの予定日も決めてしまうのが理想的です。

作業の遅れを防ぐためのコツ

最後に、先延ばし予防と関連した、作業を遅れにくくするコツを2つ、簡単に紹介したいと思います。

  • 一回の作業時間は短めに、要・不要の判断に注力できるようアシスト
  • 面倒なことはその場で一緒にしてしまう

それぞれ、解説します。

一回の作業時間は短めに、要・不要の判断に注力できるようアシスト

特にシニアの方の場合は、まめに休憩を入れ、ひと続きの作業時間は短めにします。仕分けるものの種類や、ご本人の体力、集中力の持続具合等を配慮して、20-30分で設定することもあります。

こうすることで、効率やモチベーションも上がりますし、「片付けは疲れる」という印象が残り、続きが先延ばしに…となるのを防げます。

また、ご本人の動作をなるべく少なくし、要・不要の判断に注力できるようアシストすると、効率がアップしますし、疲れにくくなります。詳しい方法は、以下の記事で解説していますので、そちらをご参照ください。

面倒なことはその場で一緒にしてしまう

過去の記事でも度々触れていますが、ご本人が面倒と感じそうなことは、手伝うその場で一緒にしてしまうのをおすすめします。ご本人は、「いや、後で自分でするから…」のように遠慮しがちですが、やはり手伝ってあげる方がスムーズです。

なお、その場でしてしまう提案をする際は、ご本人の先延ばし傾向を責めないように、言葉を選ぶのがポイントです。例えば、

「今やらないと、ずっとできないでしょ」

と言うと、ご本人は責められたり、けなされたように感じてしまいます。ご本人にとっては、ただでさえしんどい片付けです。ネガティブな意味が加わるのは、できる限り避ける必要があります。ですので、

「後でまた最初からやるのは大変な作業だと思うし、このついでにやってしまわない?」

のように、ご本人の先延ばし傾向ではなく、作業自体の大変さをメインの理由として、手伝わせてもらうお願いをするのがおすすめです。

本日は、片付けの先延ばしを防ぐためのスケジュール作りのポイントと、遅れを防ぐコツについてお話しました。

なお、自分達だけでは進めるのが難しい場合もあるかと思います。その際は、第三者の手を借りることも検討してみてください(私が代表を務めるアトリエめいでも、片付けのサポートをしております)。

当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。

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この記事を書いたのは…

メンタルケア心理専門士、整理収納アドバイザー1級。教育機関、自治体勤務を経て、2021年にアトリエめいを開業。 カウンセリングを重視した片付けサポートに取り組む。整理収納コンペティション2022にて最優秀新人賞を受賞。奈良県大和郡山市在住。

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