「部屋がすぐ散らかる」から脱するために、やめたいこと・したいこと

奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。

部屋が片付いた状態になるのを、片付けるご本人も望んでいるのに、すぐ散らかってしまう…そんな場合は多いのではないでしょうか。

本日は、部屋がすぐ散らかる原因と、「部屋がすぐ散らかる」を脱するために、やめたいこと、したいことについて、お話したいと思います。

目次

部屋がすぐ散らかる原因

部屋がすぐ散らかる代表的な原因として、次の3つが挙げられます。

  • ものが多すぎる/ものの量を制限していない
  • ものの収納場所が決まっていない
  • 戻すのが面倒な、または分かりにくい収納方法になっている

もちろんこれ以外にも、部屋の持ち主の性格・特性(例えば、使ったものをしまうよりも、次にすることに注意が向きやすい)などもあります。それでも、この3つが解消されていれば、部屋が一時的に散らかっても、復旧が格段に楽です。諦めずに取り組んでいくことが大切です。

簡単にですが、それぞれ見ていきます。

ものが多すぎる/ものの量を制限していない

収納場所からあふれた分は、しまえないので散らかるしかありません。収納できても、ぎっしりであれば、出し入れがスムーズにできません。使った後に戻すのが面倒になり、散らかりやすくなります。

ものの収納場所が決まっていない

当然と言えば当然ですが、使った後に戻る収納場所が決まっていなければ、戻りようがないので散らかります。

戻すのが面倒な、または分かりにくい収納方法になっている

例えば、蓋つきのボックスを何段も重ねて…という収納にしていると、下の方の段に入っているものを使った後、戻すには、

  1. 上に積んであるボックスをどける
  2. 使ったものをしまうボックスの蓋をあける
  3. ものを入れてボックスの蓋を閉める
  4. 上に再び他のボックスを積む

と、動作の数が多くなります。忙しい日常でこれをするのは大変ですので、「後でしよう」となり、散らかります。

また、中身を隠すタイプの収納が並んでいて、いずれもラベルがないなど、戻す場所が分かりにくい場合も、スムーズに戻せないので、やはり散らかりやすくなります。

部屋が散らからないために、やめたいこと

それでは、ここまでを踏まえた上で、部屋がすぐ散らかるのを脱するために「やめたいこと」について、お話します。

次の2つは、「つい、してしまいがち」なことが多いのですが、前章の部屋が散らかる原因につながります。本当に大変ですが、やめることで、確実に片付けが進みます。

  • ものが増える度に、収納用品を増やす
  • 場所に関わらず、隙間があればそこにものをしまう

順に解説します。

ものが増える度に、収納用品を増やす

片付けが必要なご本人が、

要・不要の仕分けをしなくても、ものが入れものや棚に収まると、それで「片付いた、ひと安心」と感じる

場合があります(もちろん、本当は片付いていませんが…)。

そのため、ものが増える度に、不要品を手放すのではなく、収納用品を増やして対応してきた…というのはよくあります。

ですが、こうなると、ものの見直しが先延ばしになるため、ものが増えやすく、収納も増えて複雑になっていくため、先ほどの、散らかる原因

  • ものが多すぎる/ものの量を制限していない
  • ものの収納場所が決まっていない
  • 戻すのが面倒な、または分かりにくい収納方法になっている

を悪化させてしまいます。

「収納を増やして解決」から「要・不要の見直しをする」へのシフトが必要

今まで、収納用品を買い足すことで、片付けの問題を解決してきた(と感じている)ご本人からすれば、かなり苦しいところですが、今回は路線を変えて、要・不要の見直しをすべき時です。要・不要の仕分けが終わるまでは、収納用品を買うのは控えてもらってください。

今まで収納用品を買ってきたつもりがなくても、収納用品や、収納用品代わりになる空き箱、紙袋は、片付けでは本当にたくさん出てきます。インナーボックスサイズの入れものが何十個も出てきて…ということもあり得ます。

特に、捨てることに罪悪感を感じてしまう場合は、手持ちの余分な収納用品の行き先を決めるだけでも、かなり大変です。最初に買うのは、思いとどまってもらうようにしてください。

収納用品を買うのは、部屋のもの全ての把握と整理が終わり、本当に必要と判明してからが適切です。その頃には、入れるものもはっきりしていますし、合ったものが選べます。

なお、説得の際は、「不要なものを手放す方が先」など、ご本人がまだ後ろ向きな「手放す」を前面に出して訴えるよりは、

「今、家にある分を調べて活用しよう。見つかったら、節約できてお得かもしれない」

「私も、自分で片付けた時には、収納用品がかなり出てきたし…買った後に、部屋から同じようなのが見つかって、捨てなきゃとなったら、しんどいから…」

と、費用面のメリットや、捨てる際のしんどさをメインに伝えるのがおすすめです。

補足:「収納は絶対増やしてはだめ」というわけではない

ただ、どんな状況でも、ものは今ある収納に収まる分まで減らさないといけないのか、収納用品を買い足してはいけないのかというと、必ずしもそうではありません。

要・不要の仕分けをし、本当に必要で使うものばかりにしたけれど、それら必需品すら収められない…という状況では、収納は増やす方向で考えます。そして、その場合は以前に以下の記事で解説したように、

  • 機能的な収納家具・収納用品にする
  • まずは、今、家にあるものから探す

ようにします。

「要・不要の見直しをする以前に収納を増やす」のが問題なのであって、不要なものを手放した上でも必要ならば、必要ということです。

場所に関わらず、隙間があればそこにものをしまう

「ものが増える度に、収納用品を増やす」に加えて、ついしてしまいがちなのが、こちらです。片付けるご本人が、新しくものが入ってくると、

  • 本棚の本と棚板の間
  • 家具同士の間
  • まだいっぱいになっていない引き出し

など、所かまわず、目についた隙間につい押し込んでしまう…という場合があります。

もちろん家具同士の間など、収納に有効活用したい空間はあります。でも、「隙間は埋める」が標準になると、空間が埋まるまでものが増え、使った後にものを戻しにくくなります。

加えて、「所かまわず」になると、ものの所在がわからなくなります。使おうとしても見つからず、また同じものを買うことにもつながります。

当然ながら、先ほどの、散らかる原因

  • ものが多すぎる/ものの量を制限していない
  • ものの収納場所が決まっていない
  • 戻すのが面倒な、または分かりにくい収納方法になっている

を悪化させます。

ですので、本当に大変なのですが、隙間に押し込む習慣も、頑張ってなくしていきたいところです。

「一時置きボックス」をつくるのがおすすめ

とはいえ、部屋の片付けが進んでいないうちは、しまえる状況ではないですし、片付いた後も、ものが入ったらすぐに決まった場所へ、とはいかないことも多いでしょう。

そこで、

すぐには整理ができないものをいったん入れておく「一時置きボックス」

をつくるのがおすすめです。

余っているかごやインナーボックス(もちろん、新しく買わずに、もともと家にあったものにしてくださいね)で構いません。ただし、ボックスの個数は1つだけにして増やさないのがポイントです。新しく来てすぐにしまえないものは、ここに入れてもらうようにしてください。

「一時置きボックス」を作っても、ものの存在を忘れたり、整理が先延ばしになるのが100%解消できるわけではありません。中で埋もれたりはします。

でも、「少なくともこの中にある」で見つけやすくなりますし、ボックスがいっぱいになったときを「整理のタイミング」と決めてしまえば、ものが際限なく増えるのを防げます。

部屋が散らからないために、したいこと

次に、部屋が散らからないようにするために「ぜひ習慣にしたいこと」をお話していきます。

片付けの初めでは難易度が高く思えますが、次のことをしていくと、確実に部屋は散らかりにくくなります。

不要なものは手放す

難しいことですが、散らからないためには、やはり不要なものを手放すのが一番です。ものの量が半分になれば、日々、ものを使った後に戻す手間は「半分かそれ以下」になりますし、格段に散らかりにくくなります。

「〇〇が捨てられない」など、状況ごとの対処については、当ブログの各記事で紹介していますので、ご参照ください。

日々「調べなくても捨てられる」ものを増やす

「捨てよう」と思っていても、捨て方が分からなかったりすると、捨てるのが先延ばしになり、散らかりがちです。とくに溜まりがちなもので、捨て方が分からないものは、一つずつ調べ、覚えていきます。

  • 乾電池はセロテープで絶縁して有害ごみ
  • 割れたガラスは、紙に包んで不燃ごみ
  • 服は資源ごみ

など(お住まいの地域により異なりますので、ご確認ください)、調べなくても捨て方を知っているものが増えていけば、すぐ捨てられるようになり、散らかりを防げます。

ものの場所は決めてしまい、その時その時で変えない

基本、各ものの収納場所は決めて定位置にし、「その時その時で変えない」ようにします。

定位置を決めるのが難しく、試行錯誤していく場合でも、いったん決めた仮の定位置を守り、その上で、そこを定位置にするか、他の場所で試すかを判断するようにしてください。

他人の力を借りる

これはプラスアルファになりますが、次のように、他人の力を積極的に借りるのもおすすめです。

  • 誰かを家に招く日を決める
  • 大切な誰かが部屋を使うのをイメージする

自分だけが使う場所であれば、散らかしっぱなしでもいいや…となりがちです。でも、友人を招くとか、子どもや孫がそこで遊ぶとなれば、やはり片付けようという気になります。

片付けが嫌でも、誰かのためなら前向きになれますし、ものを捨てられない場合も、捨てる勇気を持てます。積極的に家に招く機会を作ったり、部屋で誰々にこんな風に過ごしてもらいたいという理想のシーンを思い描いてもらってください。

本日は、「部屋がすぐ散らかる」から脱するために、やめたいこと・したいことについて、お話しました。

なお、自分達だけでは進めるのが難しい場合もあるかと思います。その際は、第三者の手を借りることも検討してみてください(私が代表を務めるアトリエめいでも、片付けのサポートをしております)。

当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。

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この記事を書いたのは…

メンタルケア心理専門士、整理収納アドバイザー1級。教育機関、自治体勤務を経て、2021年にアトリエめいを開業。 カウンセリングを重視した片付けサポートに取り組む。整理収納コンペティション2022にて最優秀新人賞を受賞。奈良県大和郡山市在住。

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