捨てられない空き箱…片付けでは、どうするのがおすすめ?

奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。

紙袋と並んで、とっておかれることが多い空き箱。そのまま捨てるのはもったいない…と溜めてしまいがちですが、片付けではどう付き合っていけばいいのでしょうか?本日は、この空き箱との付き合い方について、お話したいと思います。

目次

もったいなくても…空き箱は「基本は捨てる」のがおすすめ

以前、「いつか使う」ととっておかれることの多い紙袋との付き合い方について書きましたが、紙袋と同様にストックされていることが多いのが空き箱です。

例えば、次のようなものがあります。

  • 贈答品(お菓子など)が入っていた箱
  • 電化製品、靴などが入っていた箱
  • 通販で買ったものが入っていたダンボール

特にいただきものなどは、それなりにしっかりした化粧箱や金属製の箱に入っていることもあり、そのまま捨てるのはもったいない…と思うことは多いでしょう。

そして、使い道として考えるのは、やはり「収納用品代わり」でしょう。ですが、収納用品として使おうとすると、空き箱は意外と使い勝手がよくありません。ですので、後述する一部のものを除き、基本は処分するのがおすすめです。

次章から、詳しく解説していきます。

空き箱は、収納用品としては使い勝手が悪いことが多い

収納用品として、ついとっておきたくなる空き箱ですが、収納用品として使おうとすると、次のような弱点があります。

  • サイズが合わないことが多い
  • 使わないときに、スペースが必要
  • 生活感、雑多感が出やすい
  • 掃除がしにくく、衛生面で不安も

順に見ていきます。

サイズが合わないことが多い

当然といえば当然ですが、空き箱は家での収納用品として作られてはいません。ですので、無理に収納用品代わりにしようとすると、サイズの上で使い勝手が悪いことが多いです。

  • 文房具トレーにしたけど、深すぎ・大きすぎで、箱に合わせてペンを入れていくと、埋もれる。使う都度探さないといけない状態に…
  • 台所の引き出し内で、仕切りケース代わりに使ってみたが、フライ返しは斜めにしないと入らない…

などは、よくあります。

大きすぎる場合はサイズの調整もありですが、はさみで切るだけで手軽に高さを調整できる紙袋と違い、金属製・木製・厚紙製の空き箱は、調整は難しいか、手間がかかります。

使わないときに、スペースが必要

特に木製や金属製の箱など、「そのまま捨てるのがもったいない」と感じる箱ほど、折りたためず、スペースをとります。サイズが違うものを組み合わせて入れ子状にすることもできますが、もともと全く違う製品が入っていた箱同士です。うまく収まってくれない場合も多いでしょう。

はじめから収納用品として作られたものは、シリーズでスタッキングできるとか、折りたためる、重ねてしまえるなど、スペースを有効活用できるように作られているものが多いです。そうではない空き箱は、やはり余分にスペースをとりがちです。

生活感、雑多感が出やすい

空き箱を使うと、素材がしっかりしていてデザインもおしゃれなものを除けば、生活感が出やすいです。サイズや色柄もまちまちなので、こだわりをもって揃えたり、使う箇所を限定しない限りは、部屋が雑多になりがちです。

購入できるのであれば、色柄や文字情報の少ないシンプルな収納用品を使う方が、見た目もすっきりしますし、部屋で過ごしていて疲れにくいと感じます。

床に、色々な収納用品が置かれている。いずれもシンプルなデザイン。

掃除がしにくく、衛生面で不安も

金属製のものは掃除がしやすいですが、紙製や塗装なしの木製だと、汚れても掃除が難しいです。(もちろん、収納用品として売られているものでも、掃除がしにくい素材のものはありますが…)

使用済みダンボールも、ほこりや土もあって、衛生面が気になるところです。

収納には、無理に空き箱を使わず、収納用品を使うのがおすすめ

前章で見たような弱点があるため、空き箱は収納用品として使おうとすると、しんどいことが多いです。無理して使わないのがおすすめです。

もちろん、収納用品を購入したくないときは有効活用すべきですが、できるならしっかりした収納用品を買った方が、使いやすく気持ちの負担が減ります。空き箱は、収納用品として集める必要はありません。

ただ、片付けを進めている途中は、いくつかあると便利です。次章で触れます。

ただし、片付けが進むまでは、収納用品として残すのもあり

片付けを進めている最中、余っている空き箱を臨時の収納用品として使うことは、よくあります。大量のはがきをまとめて入れておく、などです。

収納用品を買うのは最後の最後ですし、それまで空き箱は臨時の代替品として使えます。しっかりしていてサイズもぴったりならば、臨時ではなく、以後も使い続けてよいでしょう。また、収納を試行錯誤する段階での試し用に使うこともできます。

「片付けがまだまだこれから」という段階では、仮の収納用品として残し、一か所に集めておくとよいでしょう。ただ、量が多くて作業スペースも確保できなくなる場合は、作業スペースが確保できる量までは、頑張って処分してください。

使用済みダンボールは収納用品としてはおすすめしませんが、片付けの仕分け・一時保管用や、不用品の宅配買取に使えます。ぜひ活用、消費してください。

部屋に埋もれているものがだいたい把握できた時点で、特に入れるものが思い浮かばない空き箱は、そのタイミングで処分するのをおすすめします。

捨てずにとっておくのがおすすめの空き箱

片付け途中以外でも、捨てずにとっておきたい空き箱はあります。次のようなものです。

  • 用途が具体的、しかもすぐに使う箱
  • 確実に売却するものの外箱
  • 骨董品などが入っていた箱
  • 収納しにくい季節アイテムなどが入っていた箱

順に見ていきます。

用途が具体的、しかもすぐに使う箱

「〇〇に使う」が具体的で、しかもすぐ(1か月以内ぐらい)にその機会が来るとなれば、捨てずにとっておきます(とっておくというより、「即使う」が多いかもしれません)。

下の写真では、いただきものが入っていた金属箱を、メイク道具入れに使っています。メイク道具入れは、サイズや材質で思うような既成品に出会えていなかったため、お菓子と一緒に我が家にやって来た、この箱を使うことにしました。もうしばらく使い続けることになりそうです。

引き出しの中に金属箱があり、メイク道具が入っている。

通販のダンボールも、「近々、古本を宅配買取に出す」などがあれば、適したサイズのものだけ何枚か残します。日程がはっきりしていなくても予備として持つことはありますが、多くて2枚程度です。もちろん、子どもが工作や遊びに使いたいと言ったものも残します。

確実に売却するものの外箱

使った後、売却とその時期が確実なものの場合、残しておくのもありです。通常、外箱があると買取価格は上がります。

ただ、あれもこれも「売るときに使うから」で残すと収集がつかなくなります。折り畳めないものや、畳めても緩衝材などが入っているものは、それらも含めるとかなりのスペースをとります。

フリマアプリや買取店サイトで、外箱の有無で値段がどの程度変わるかを、実際に調べて判断するとよいでしょう。思ったほど差がつかないし、スペースをとられない方がいいや…と思い切れる場合もあります(そもそも外箱の有無以前に、本体の価格自体、中古では小さな金額にしかならない場合もあります)。

こだわらなくてもいい額のために、何か月(何年)も保管…するぐらいなら、手放す方がいいでしょう。スペースができる、もしくは他に残せるものが増えます。

骨董品などが入っていた箱

骨董品などは、購入時に入っていた箱に、制作者の記載があったりします。譲渡や売却の際に、本物と示すのに役立ちます。骨董品自体、将来手放すかどうか分からないこともあると思いますが、外箱は出来る限り保管をおすすめします。

収納しにくい季節アイテムなどが入っていた箱

例えば、クリスマスツリーなどの季節アイテムは、1年の中でも使わず収納しておく期間が大部分です。季節もの以外の、焼き肉コンロなども、家庭によっては年に2、3回しか使わないこともあります。

そしてこれらには、形状的に、もの本体だけにするより、買ったときの箱に入れた方が収納しやすいものがあります。それらは、箱の保管をおすすめします。

つまり、

  • 使うよりもしまっておく期間が長い
  • かつ、本体だけでは形状的に収納しにくい

こんなものが入っていた箱は、とっておいた方が便利です。

我が家でも、あまり使わないコンロ類はこんな具合で保管し、収納しています。

吊戸棚の中に、ファイルボックス、箱入りのカセットコンロ、箱入りの焼き肉コンロが立てて収納してある。

左のファイルボックスも使っているので、コンロ類の収納は箱入りのままが便利です。もちろん、「収納場所が、高さ調節のできる棚」など、箱に入れなくても収納が簡単な場合は、箱は処分して大丈夫です。

ただ、いくら収納しやすくなるとはいっても、例えば扇風機の箱が、「本体+保護用の発泡スチロール」のサイズだったりすると、必要なスペースがかなり増えてしまいます。

あくまで、箱の保管はコンパクトなもの限定で考えてください。もとの箱がもの本体に比べて大きすぎるものは、本体だけにして収納するか、手持ちの、無駄がないサイズの収納用品に入れ替えて保管するのがおすすめです。

シンプルなデザインの収納用品が何種類か並んでいる。

どうしても手放せないときには

それでも、片付けが必要なご本人が、

「収納用品としては使いにくくても、使う予定がはっきりしなくても、手放せない…」

という場合もあると思います。その際は、次の3つを心がけて、「まずは際限なく増えるのを防ぐ」のを目指してください。

  • 「ここに入る量だけ」など、保管場所で制限
  • サイズが同じぐらいのものは、「どっちがいい?」で順位を決める
  • 期間を決めて、または状態が悪くなったタイミングで声かけ

順に見ていきます。

「ここに入る量だけ」など、保管場所で制限

片付け中も、片付けが一段落してからも「空き箱は保管場所に収まる量だけ」と上限を決めるのがおすすめです。我が家では、冷蔵庫と横の壁の間がダンボール保管場所です(処分する分もここに一時置きしています)。ダンボールを一時的に増やしても、そこに収まる量までにしています。

冷蔵庫と横壁の隙間に、たたまれたダンボールが3枚入っている。

サイズが同じぐらいのものは、「どっちがいい?」で順位を決める

同じぐらいのサイズのものが増えたら、「どっちを残したい?」でよい方を選んでもらい、選ばなかった方は処分します。

期間を決めて、または状態が悪くなったタイミングで声かけ

「いついつまでに使わなかったら、捨てるのを考えようか」とあらかじめ話しておいたり、保管していて少しほこりを被ってしまった時など、状態が悪くなったタイミングで「傷んできたし、そろそろ捨ててもいいかなと思うんだけど…」と声かけをするのも有効です。

本日は、片付けでの空き箱との付き合い方について、お話しました。

なお、自分達だけでは進めるのが難しい場合もあるかと思います。その際は、第三者の手を借りることも検討してみてください(私が代表を務めるアトリエめいでも、片付けのサポートをしております)。

当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。

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この記事を書いたのは…

メンタルケア心理専門士、整理収納アドバイザー1級。教育機関、自治体勤務を経て、2021年にアトリエめいを開業。 カウンセリングを重視した片付けサポートに取り組む。整理収納コンペティション2022にて最優秀新人賞を受賞。奈良県大和郡山市在住。

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