奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。
片付けたいが、どこから手を付けていいか分からない…途方に暮れてしまう…
何回か片付けに挑戦しているが、どうもうまくいかない…
そんな方は多いのではないでしょうか。本日は、片付けでは最初にどこから手を付けるといいか、お話したいと思います。
最初にするのは、「並び替え」ではなく「不要なものを取り除く」
まず、片付けの大まかな流れですが、
- 不要なものを取り除く
- ものを分類する
- 使用頻度にあわせて収納する
という順番で進めるのが基本になります。
つい焦って、部屋のものを綺麗に並べたり、収納に詰め直したりをしてしまいがちなのですが、まずは
不要なものを取り除く
のが、うまくいくコツです。
これをしないままだと、収納場所はパンパンのままで、入りきらないものをどう詰めるか、他の場所に置くなら、いかに雑多に見えない置き方にするか、などになってきて、ある所からは解決しようがなくなってしまいます。
少し厳しい言い方になりますが、不要なものを除かずに見た目を整えても、並び替えただけになります…「しまうのに無理がある」状況が本質的に変わらないので、未解決のままです。捨てることに慣れないうちはつらいのですが、不要なものを取り除く作業は必須です。
とはいえ、「捨てようか悩むものまで、迷いを捨てて一気に捨てる」までする必要はありません。自分は捨てるのが苦手だし、できそうにない…と思っても、案外捨てられるものはあります。
特に、長年片付けていなかった時などは、蓋を開けてみると、経年劣化や使用期限切れで使えなくなったものが、かなり出てきます。身構えなくても、できることは多いので、諦めないでください。
次章では、不要なものを取り除く際の進め方を解説します。
不要なものを取り除くときの進め方
不要なものといっても、ごみ箱に入れそびれていたごみのように、迷いなく捨てられるものもあれば、捨てても大丈夫か調べたり(WEB上でも公開されていそうな配布物など)、自分の中で気持ちを消化してからでないと、捨てられないものもあります。
ですが、順番としては
「不要」と判断しやすいものから捨てていく
ようにしていきます。以下、詳しく見ていきます。
「明らかなごみ・不用品」から捨てていく
まずは、迷いなく「不要」と判断できる「明らかなごみ・不用品」から捨てていきます。例えば、
- お菓子の包み紙
- 洗ってそのままにしていたペットボトルや瓶
- セール期間が終わった広告、DM、その他の古紙
- 賞味期限を過ぎた食品(開封後なら、なお捨てやすいでしょう)
- シャンプー、歯磨き粉など体につけて使う消耗品のうち、開けた後使わなくなって久しいもの
- カビが生えているなど、汚れたり傷んでいて使えないもの、修理の施しようがないもの
もちろん、これらでも躊躇する方もいるでしょう。その場合は、できるものから手放すようにしてください。逆に、これら以外でも、片付けるご本人が「明らかに不要、捨てようと思える」ものは取り除いていきます。
片付けたいのに進まないと焦りますし、自信もなくしてしまいます。だからこそ、最初に「迷いなく捨てられるものから捨てる」のが大切です。
服が多い、本が多い…など、気になるものはあると思いますが、捨てるか迷いそうなものはひとまず横に置き、すぐに捨てられるものから取りかかります。それで部屋がきれいになると、やる気もアップします。
なお、
- 「捨てたいけど捨て方がわからないもの」
- 「捨てても大丈夫か確認が必要なもの(例えば、インターネット上にも公開されているかもしれない取扱説明書など)」
は、それらだけでいったんまとめておき、作業の終わりなどのタイミングでまとめて調べるようにします。出てきた都度に調べるより、ずっと効率が上がります。
補足:不要なものの集め方(「全部出し」方式と「抜き取る」方式の使い分け)
なお、部屋の不要なものを集めるには、
- ある箇所のもの(例えば、「押入の下段)など)を「全部出し」して、要・不要の仕分けをする
- 「全部出し」はせず、部屋全体を見渡しながら、不要と判断できるもののみ抜き取っていく
の2通りの方式がとれます。
足の踏み場がなく、不要なものだけピックアップするのが難しい
という場合は、以下の記事でも紹介しましたが、①の「ある箇所を『全部出し』」方式で進めます。小範囲ずつ全部出しし、少しずつ道を作っていく方式で進めてください。
また、足の踏み場はあっても、閉じた収納家具内(引き出しなど)にものがあり、しかも一目では全てのものの把握ができない場合もこの方式で進めます。(一度整理されて、中のもの全てが見渡せるようになった引き出しなら、②の「不要なものだけ抜き取る」方式でもできるので楽です。)
なお、
部屋が何とか歩ける状態で、オープンな本棚にものが多いなど、もののピックアップが簡単
なら、特に初期は②の「不要なものだけ抜き取る」方式をおすすめします。片付けるものが大量と思うと焦りますが、不要なものが取り除かれ、これから処理すべきものが目に見えて減ると、気持ちにゆとりが出ます。
その後は「整理したいもの」や「片付けたい箇所」ごとに進めていく
「明らかなごみ・不用品」を取り除いた後は、
・同じ種類のもの(例えば、服なら服だけ)だけ抜き取る(詳細はこちらの記事をご参照ください)
または、先ほども触れた
・ある箇所(例えば、クロゼット、本棚の〇段目など)のものを「全部出し」
をすることにより、要・不要の仕分けをし、不要なものは取り除いていきます。
どちらの方式で進めても構いませんが、それぞれ初期に取り組みたいもの・箇所について書きます。
「同じ種類のものだけ抜き取る」方式で進める場合
以下の記事で、片付けの初期でも手放しやすいものを紹介しています。よければ、ご参照ください。
「ある箇所のものを『全部出し』」方式で進める場合
まずは、
床置きができている箇所
を優先的な取り組み箇所として、仕分けしていってください。
床置きがなくなると通路が広がるので、不用品や、他の部屋に移動するものを出す作業がしやすくなります。また、部屋の全てのものにアクセス可能になれば、片付けが加速します。
ダンボールに入ったまま積んである…というものがあれば、開けて中身を出してください。ダンボールの中以外に置き場所がない!という場合でも、中の不要なもの(通販で買ったものなら、緩衝材など)を抜いて、複数を一箱にまとめるだけで、だいぶ小さくなります。
床置きのものの後は、気になる箇所からでもいいですし、部屋の端から順番に、でも構いません。
不要なものを取り除いた後にすること
不要なものを手放した後は、ものの分類をします。そして、ようやく収納ができます。不要なものを手放す前だと失敗していた並び替えなども、このタイミングなら大丈夫です。かなりざっくりですが、解説します。
ものを分類(グループ分け)する
不要なものを取り除いた後は、使いやすいようにものを分類(グループ分け)します。
分類の仕方は一通りではありません。例えば、
- 衣類(その中で、さらに細かく「半袖シャツ」「長袖シャツ」「インナー」…などに分ける)
のように、ものの種類で分けることもあれば(下の写真の引き出しでは、衣類が「インナー」「ボトム」といった種類ごとに分けられ、収納されています)、
- 梱包で使うグッズ(はさみ、ガムテープ、ビニルひも、…)
- 子どもの身支度セット(スキンケアクリーム、ヘアゴム、体温計…)
のように、種類は違っても同時に使うものを集めてグループにする方が使いやすいこともあります。
分類は、収納場所や使い勝手との兼ね合いで決めていきます。
使用頻度にあわせて収納する
ここまで来て、ようやく収納です。ものの収納場所は、基本は、そのものを使う場所、もしくはその近くにしますが、ほとんど使わないものは、例えば納戸などに収めるのもありです。
使用頻度が高いものは、取り出しやすい位置(引き出し内なら手前側、棚なら中段)に優先的に置きます。引き出しの奥や棚の上段など、取り出しにくい位置には、使用頻度の低いものを収めます。
収納やグループ分けは、一度決めてもそれが使いづらいこともあります。また、それまで快適だったとしても、生活スタイルが変わると使いにくくなることもあります。日々試行錯誤して、使いやすくなるよう改良していきます。
本日は、片付けではどこから手を付けるといいかについて、お話しました。
当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。