譲る・高く売ることを考えて捨てられない…そんな片付けの初めでも手放しやすいもの

奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。

片付けに慣れていない初期は、ものを減らすのが難航しがちです。不要なものでも、人に譲ったり高く売ることを考えてしまい、なかなか捨てられないことがあります。本日は、そんな片付けの初めでも手放しやすいものについて、お話したいと思います。また、初期に手放しにくいものの、一度仕分けにトライしておきたいものについても触れます。

目次

ものの種類ごとに片付けを進めるときに

片付けの初めには、一つの場所に色々なものが混在しているのが普通です。そして、そこにあるものを「全部出し」して、色々なものが混じった中で要・不要の仕分けをしていく…これは、片付けではお馴染みの方法かと思います。

ですが、クロゼットや台所など、片付ける場所によっては、片付けの最初から、同じ種類のものがある程度集まっていることがあります。また、以前の記事「足の踏み場がない部屋を、少しずつ片付けるときのポイント」で触れましたが、「全部出し」方式以外にも、同じ種類のものを抜き取り、それらを集めて全体を見渡しながら仕分ける方法もあります。

このように、ものの種類ごとに片付けを進める際に気を付けたいことがあります。それは、ものの種類ごとに、手放しやすさが異なってくるということです。

特に片付けの初期は、ご本人にとってはかなりしんどい時期です。不要と判断できても、譲る・高く売ることにこだわってしまい、そこからなかなか進まないこともあります。ご本人のモチベーションにつなげるためにも、手放しやすい種類のものからトライしていきたいところです。

片付け初期でも手放しやすいもの

何が進めやすいかは、もちろん片付けるご本人の生活スタイル等に大きく左右されます。ですが、比較的手放しやすい場合が多く、片付け始めに取りかかるのにおすすめなのが

  • 本(特に発行部数の多そうな一般書やコミック)
  • ご本人が片付けに乗り気のもの

です。以下、順に解説していきます。

服は、次のような特徴があります。

  • 体積が大きく、すぐにスペースができるので、片付けの達成感が得やすい
  • 使っている・使っていないや劣化具合、流行がはっきりしているので、要・不要の仕分けをしやすい
  • 一部のブランド品以外、売却できても大きな金額にならないことが多く、高額売却を狙って進まなくなるのを避けられる
  • 流行、サイズ、デザインの好み、新品同様か等、人に譲れる条件がかなり厳しいので、譲るのを諦めて捨てる方に進めやすい

特に、売却や譲渡を諦めやすいというのは貴重です。数少ない「片付け初期でも捨てやすいもの」です。

しかし、以前に以下の記事で触れたように、「痩せたら着る」と手元に置き続けるのを希望するなど、難航するものもあります。それらはどうしても時間がかかるので、すぐに手放せるものだけ手放すようにしてください。一度に全ての決着を付けなくてもいいのです。

本(特に発行部数の多そうな一般書やコミック)

本人がコレクションしているシリーズや、思い入れの強いものは、もちろん手放すのは難しいでしょう。また、本自体は不要でも、絶版本や専門書などは、買取価格が大きくなる場合があり、片付けるご本人が高額売却にこだわる場合はなかなか外に出せません。

ですが、それ以外の本は狙い目です。本は、次のような特徴があります。

  • 体積が大きく、すぐにスペースができるので、片付けの達成感が得やすい
  • 分野によっては、「内容が古くなっていて使えないから不要」という判断がしやすい
  • 本によっては図書館で借りたり、再入手も可能。デジタル版再購入の選択肢もある
  • 特に発行部数の多かった本は、値段がつかないか、ついても数円など、大きな金額にならないことが多く、高額売却を狙って進まなくなるのを避けられる

流通量が多く、再入手が可能というのは重要です。後でまた必要になっても大丈夫というのもありますが、「私には不要でも、資料として誰かが保管してほかないと…」でなかなかものを捨てられない状況の方でも、進めやすいです。

まとめて売却可能な本については、買取や集荷の申し込みも、片付け作業のついでに、一緒にしてしまうとスムーズです。なお、フリマアプリ等での高額売却にこだわって進まない場合は、以下の記事もご参照ください。

もちろん、分野に関わらず本を手放すことがかなり難しい場合もあります。その場合は他のものからトライしてください。

ご本人が乗り気のもの

ご本人が早く片付けたがっているものがあれば、それから手を付けるのもありです。ただし、次のようなものが望ましいです。

  • 体積が大きい
  • ご本人の中で要・不要の判断基準がはっきりしている
  • 既に全体量が見えている

特に最後の、既に全体量が見えているというのは大切です。

収拾がつかなくなり、ご本人も自信を喪失…という事態を防ぐため、限られた範囲で進めるのは大切です。そこには特に注意をしてほしいのですが、あとは、多少体積が小さかったり、思い出品で、一見難易度が高そうなものであったとしても、ご本人が片付けたがっているのであれば応援してみてください。前向きに取り組めるというのは重要です。

例えば、書類は労力のわりに進むのが遅いですし、初期にするのは基本はおすすめしません。でも、ある案件のものが小さなひとまとまりになっていて、ご本人が乗り気なら、手を付けるのもありです。

シュレッダーにかけるのを手伝うと、すぐ捨てられてスペースができます。また、仕分けだけ手伝って、シュレッドと廃棄は次の片付けの日までにご本人にしてもらい、達成感を感じてもらうこともできます。

意外と手放すのが大変だが、トライしておきたいもの

少し補足的になりますが、初期に意外と手放しにくいものの、一度仕分けにトライしておきたいものについても、お話したいと思います。

一般に、手放す難易度が高いのは、要・不要の判断の際に気持ちが入ってくるもの(例えば、思い出品類)です。ですが、それらとは真逆の、思い入れがない消耗品は減らすのが簡単かというと、そうでもありません。

賞味期限を極端に過ぎた食品や、開封後何年も経った化粧品等は諦めがつきやすいですが、賞味期限を過ぎていても、日が浅いならまだ手元に…と説得が難しいこともあります。

もの自体は不要と判断できても、

  • 使わずに捨てるのはよくないことだと罪悪感を感じてしまう…
  • 「ものを捨てる自分」をよしとするのが難しい…

そんな状況が伺えることもあります。使い心地の悪いペンでも、なかなか手放せない…そんな場合もあります。

このように、思い入れのない消耗品も意外と減らしにくいものです。それでも、別の理由から、初期にトライする価値があります。というのも、今まで

お得だとつい買ってしまう

無料だともらってしまう

などでものが増えていた場合は、このジャンルのものに取り組むことで、今後ものの増加を抑える効果があるからです。

そういう意味で、今思うように減らせなくても、仕分けをし、一度在庫量を見てもらうのはおすすめです(ただし、ご本人がうんざりしない範囲に留めてください)。また、捨てられないなら実際に使い始めてもらうこともできます。

本日は、片付けの初めの頃でも手放しやすいものについて、お話しました。

なお、自分達だけでは進めるのが難しい場合もあるかと思います。その際は、第三者の手を借りることも検討してみてください(私が代表を務めるアトリエめいでも、片付けのサポートをしております)。

当ブログでは、引き続き片付け応援のための記事をアップしていきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。

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この記事を書いたのは…

メンタルケア心理専門士、整理収納アドバイザー1級。教育機関、自治体勤務を経て、2021年にアトリエめいを開業。 カウンセリングを重視した片付けサポートに取り組む。整理収納コンペティション2022にて最優秀新人賞を受賞。奈良県大和郡山市在住。

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