片付けを手伝わせてくれない…そんなご家族の説得時に、伝えてほしいこと

奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。

実家の親の片付けが、なかなか進まないように見える…でも、手伝うよと言っても、「自分でするから」と受け入れてくれない…このように、ご家族が片付けを手伝わせてくれない時は、どんなことを話せば、受け入れてもらいやすくなるのでしょうか。今日はこちらについてお話したいと思います。

目次

ご本人の思い

他人に手伝ってもらいたくない…片付けるご本人は、どんな思いからそうおっしゃるのでしょうか?状況は様々かと思いますが、次の2つは、あてはまる場合が多いのではないでしょうか。

  • 本来自分ですべきことだから、手伝ってもらうのは恥ずかしい
  • 他人に入られると、無理に捨てさせられそうで不安だ

各々、簡単にですが解説していきます。

「自分ですべき、手伝ってもらうのは恥ずかしい」

片付けは自分ですべきことで、他人に手伝ってもらうのは恥ずかしい…そう感じるのはもっともです。今は片付けでプロの手を借りるのも一般的になってきているものの、「他人に手伝ってもらうのは普通だ」と言ってすぐに説得できるものでもないでしょう。ご本人にとっては、手伝ってもらって普通なのはあくまで他人の話…手伝う側は、そんな厳しい現実を突きつけられたりします。また、「手伝ってもらうにしても、ある程度自分で片付けてから」とおっしゃる方もいます。

「無理に捨てさせられそう」

片付けを他人に手伝ってもらう時には、この不安はどうしても頭をよぎるのではないでしょうか。払拭するのは難しいでしょう。また、無理に捨てさせられるまでにはならなくても、捨てるか残すかで、自分の意向とは異なる意見を言われることは充分あり得ます。自分はまだ捨てたくないものを、「捨ててもいいのでは?」と言われたり、手放す説得をされたり…何かしら嫌な思いをするかもしれない。そんな不安を抱く方は多いでしょう。

説得時にアピールしたいこと

ここまでお話したような思いが本人にあるようで、自分でやることにこだわっている。それでも、一人で進めるのは厳しそうだ…手伝わせてもらえるよう説得したい。そんな時は、次の3点をアピールしながら、話をするのをおすすめします。

手伝うのは、20分、30分など「短時間だけ」

丸一日作業の手伝いに入ると、ものの仕分けは進むかもしれません。でも、「自分でやるべき」というご本人の思いが強い場合は、長時間手伝われることで、自分でできない、他人に大部分をしてもらっていると感じて傷つくこともあります。「一日手伝いたい」は受け入れ難いでしょう。けれども、ごく短時間なら、まだ受け入れてもらえる余地があります。

無理に捨てさせられるかもという不安に対しても、時間枠が限られていることは有効です。受け入れ難い意見を言われて揉めても、すぐ終わりが来ます。長時間、延々と言い争いや説得が続くことはない…そう思ってもらえれば、敷居は確実に下がります。

作業のメインはご本人がする

作業の主体はご本人だということも一緒に伝えてみてください。手伝う側がするのは、あくまでものの出し入れや向き揃えなどの補助作業で、片付けのメインである要・不要の仕分けはご本人の仕事、ということです。手伝う側がするのは、あくまで補助的なこと。自分のものについては、あくまで自分で決めてもらう。その姿勢が伝わると、「手伝ってもらうと、自分でできないようで恥ずかしい」という思いが和らぎます。

そして、これは同時に、ご本人にものの要・不要を決める権限があると訴えることでもあります。そのため、無理に捨てさせられそうという不安も和らげる効果があります。

要・不要の決断は無理に迫らない

合わせて、要・不要の決断は無理に迫らないからと伝えるのもおすすめです。

自分は迷っていたけど、迫られて捨てた…自分でしたいというご本人からすれば、自分で決められなかったと感じる事態は避けたいでしょう。

「残すか手放すか、すぐには決められないものもきっと出てくるよね。それは承知の上だし、決断は無理に迫らないから…」

事前にそう話しておければ、ご本人は気が楽になります。もちろん、強引に捨てさせられそうという不安も和らぎます。片付けでなかったとしても、その場で決断を迫られるのはストレスに感じるものです。

多くは望まない方が、受け入れてもらいやすい

手伝いを受け入れてもらうには、いきなり「一日やる」「ここで要不要の決着をつけてもらう」などは狙わず、今回お話したように、多くは望まないところから始めるのが着実です。「まあ、それぐらいならいいか…」とご本人が思ってくれるあたりを狙い、そこがうまくいけば、徐々に広げていくのです(実際、作業のお手伝いを30分から始めて、数時間まで徐々に伸ばしていくこともあります)。これは、手伝いの申し出に限らず、片付けに抵抗が強い方のサポートのあらゆる場面でとってきて、効果があると感じている方式です。皆様もぜひ、試してみてください。

本日は、片付けを手伝わせてくれないご家族の説得時に、伝えていただきたいことについてお話しました。当ブログでは、引き続き、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。

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この記事を書いたのは…

メンタルケア心理専門士、整理収納アドバイザー1級。教育機関、自治体勤務を経て、2021年にアトリエめいを開業。 カウンセリングを重視した片付けサポートに取り組む。整理収納コンペティション2022にて最優秀新人賞を受賞。奈良県大和郡山市在住。

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