奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。
本日は、時間があまりない中で散らかった部屋を片付ける際の手順について、お話したいと思います。なお、徹底して片付けるというよりも、「何とか人に入ってもらって大丈夫と思える」レベルを想定しています。
片付けを徹底できなくても、散らかっているのを何とかしたい
片付けるご本人が、ものを捨てるのに抵抗が大きい場合、片付けをきちんと進めようとすると、どうしても長期に渡ります。
でも、そんな中でも、例えば来客があるなど、「この日までに、ある程度部屋の見映えをよくしたい」という時が出てくることがあります。
その日までに、片付けを徹底してやり遂げるのは厳しいけど、見られても恥ずかしくない程度に、部屋を整えたい…せめて、散らかっている感を何とかしたい…
今回は、そんな際の片付けの手順を紹介します。
なお、前提として、次のような状況を想定しています。
- 来客の予定などがあり、決まった期間で、ある程度部屋を片付けたい
- 時間や労力が限られていて、全てのものを出して仕分けるのは厳しい。でも、せめて見た目を少しでもすっきりさせたい
- 床置きのものはあるが、床は見えていて、足の踏み場はある
- 片付ける本人は、ある程度、要・不要の判断や、ものを捨てることに慣れてきた(要・不要の仕分けの機会さえ持てれば、ものは減らせそう)
今回の片付けでは、限られた条件の中で、捨てるものを選び、処分するのがメインになります(もちろん、ものを減らせなかったときにできることにも、最後に少し触れていますが…)。
ですので、ご本人が、まだものを捨てることに納得できていない段階では、今回の手順をとるより、来客等の当日までに、バックヤードにものを移動させる方が現実的です。ご承知おきください。
それでは、次章から手順を紹介します。
片付けの手順
手順は、大きくは次のとおりになります。
- 情報収集し、ものを処分するスケジュールを決めてしまう
- 必要なアイテムを準備する
- 全部出しはせず、すぐに手放せるものだけ抜き取り、処分または売却
- ものを減らせなくても、見映えが整えられる箇所を整える
それでは、順に解説します。
情報収集し、ものを処分するスケジュールを決めてしまう
特にご本人が、調べたり計画を立てるのが苦手な場合は、手伝う側が、ごみの回収日などの情報を積極的に集めてあげると、スムーズに進みます。
自治体のウェブサイトや、地域のごみ出しガイドブック冊子などでごみの回収曜日を確認し、「片付けたい日までに外に出せる種類のごみ」をチェックします。
または、居住地域の清掃センターに持ち込む時間がとれる場合は、持ち込み可能なごみの種類、持ち込み可能時間、予約の必要有無も確認します。予約の他、処理費用が必要なこともあるので、注意してください。そして、持ち込む日を「この日に」と決めてしまいます。
清掃センターに持ち込めない場合でも、ペットボトルや古紙は、ショッピングセンターやホームセンターでも回収していることがあります。平日は無理だし、間に合わない…と諦めてしまわずに、近くにこうしたショップがあれば、回収しているか調べてみてください。
必要なアイテムを準備する
片付けに必要な道具類を先に集めておくと、作業がスムーズです。部屋にあるものの種類にもよりますが、次のものは今回、出番があるかと思います。
- 自治体指定のごみ袋
- 紙紐かビニル紐
- はさみ
- カッターナイフ
- マーカー
- ウエス(使い捨て雑巾)またはウェットティッシュ・雑巾など、拭き掃除アイテム
拭き掃除アイテムについて
不要な古着や古タオルが既にあるなら、それらを10cm×10-20cm程度(布の厚さで使いやすさは変わるので、適宜調整してください。)に切って作ったウエスがあるとスムーズです。
ベタベタした汚れを拭いても、使い捨てで、洗いに行かずに済むので、片付け作業がスムーズです。なかなか捨てられない古布も有効活用できます。すぐ使えるように、作業前に何枚か濡らしておきます。
以前に以下の記事でも触れましたが、これらはまとめて一つのカゴや箱に入れると、作業中も使いやすいです。
加えて、
- 本やCDを売却する場合は集荷用ダンボール
- 居住地域のごみの分別ページをスマホで開いておくか、地域のごみ出しガイドブック冊子
も準備してください。
全部出しはせず、すぐに捨てられるものだけ抜き取り、処分
今回は、「全部出し」をするのは時間的に厳しい状況のため、以下の参考記事の後半で触れた
「不要なものだけ抜き取る」「同じ種類のものだけ抜き取る」
方式を、組み合わせて進めていきます。
本来ならば、不要なものは全部抜き取りたいところですが、今回は期日までに処分できる種類は限られています。ですので、期間内に処分できる不用品を「ごみの区分」ごとに集めていきます。
例えば、古紙を回収に出せるのなら、
部屋の古紙以外の不用品はいったん無視して、古紙にあたるものだけピックアップしていく
という具合です。
全部出しだと、途中で時間が足りなくなった場合に収拾がつかなくなります。でも、このように抜き取っていく方式だと、途中までしかできなくても、何とか収まりがつきます。
まずは回収の頻度も高く、目標日までにごみ出しもできるであろう「燃えるごみ」から回収するのがおすすめです。これは燃えるごみかな…?と区分に迷う種類のものがあった時は、先ほど用意したスマホか、ごみ出しガイドブックで調べてあげてください。
ちなみに、次のものを取り除くと、部屋の見た目がとてもすっきりします。
- ポリ袋、紙袋、封筒、各種包装
- ダンボール
- 雑誌や新聞、書類、紙くず
これらは、取り除くだけで、片付けてない感・生活感がだいぶ減ります。そのため、短期間で見映えを良くしたい場合は、狙いどころです。優先して処分するのをおすすめします。
これらは「燃えるごみ」「プラスチック製容器包装」「古紙」等に該当する場合が多いかと思いますが、お住まいの地域でのこれらの分別を確認し、処分できるようサポートしてあげてください。古紙などは、目標日までの回収が無理でも、家のバックヤードに収まるなら収めたいところです。
ものを減らせなくても、見映えが整えられる箇所を整える
並べて置くものは、背の高さや大きさ(例えば本なら背表紙の高さ)順に並べていき、高さが同じものは揃うようにすると、見た目の雑多感がだいぶ解消されます。減らせないけど、少しでも整って見えるようにしたい…という場合は、ぜひしてみてください。すぐにできるので、おすすめです。
↓並び変えだけでも、片付いている感は出ます。
洋服も、ハンガーに掛けるだけでだいぶ違います。上着や、帽子などの季節のアイテム、かばんなら、クロゼットからはみ出して掛かっていたり、クロゼット以外の場所にあっても、違和感はないです。
見せたくない衣類だけど、クロゼットに入らない!というときは、手持ちのバスケットやインナーボックスがあるなら、そこに入れて、風呂敷などの布で目隠しもありです。
また、洋服に限りませんが、使用頻度の少ない大型カバンやスーツケースをバックヤード代わりにして、そこに収めるという選択肢もあります。
あまり使わない大型カバンやスーツケースは、こういう時だけでなく、普段も、季節ものなどの保管場所に活用できます。我が家でも、冬だけ使うアイテムをしまうのに大活躍しています。収納の少ない家では貴重なスペースです。
本日は、時間があまりない中で散らかった部屋を片付ける際の手順について、お話しました。
当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。