奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。
片付ける難易度が高く、なかなか捨てられない書類・紙類。本日は、これらの片付けのコツについてお話したいと思います。
なかなか捨てられず、溜まりがちな書類・紙類
書類・紙類の片付けは大変です。
多くの文字を見て判断していくので、体力を使います。また、お金など重要事項に関わるものもある上、いつまで保管すればいい?など、調べて判断できるまで時間が要ることもあります。スムーズに捨てられず、だからこそ溜まりやすいともいえます。
衣類などと比べても、労力の割に体積は減りにくいので、片付けのモチベーションにつながりにくいです。片付け初期にトライするのは、あまりおすすめしません。
ですが、不要な書類・紙類をなくすと、驚くほどすっきりします。
以前、以下の記事で、「片付いていない部屋では未完了の仕事(片付け)があるので、気持ちがすっきりしない」と書きました。
片付いていないものが多いと気持ちが重くなりますが、特に書類・紙類は、後の整理が大変な分、その作用も大きいように感じます。片付け初期に手放しやすいものにトライし、片付けへのモチベーションが上がった後は、徐々にトライしていきたいところです。
次章からは、書類・紙類の仕分け方法について、解説します。
明らかに不要なもの・要確認のもの・残すものに分ける
書類・紙類の仕分けでは、次の区分で分けていくのがおすすめです。
- 明らかに不要なもの(さらにシュレッド要・不要で分けると便利)
- 要確認のもの
- 残すもの
順に解説します。
明らかに不要なもの(さらにシュレッド要・不要で分けると便利)
例えば、次のようなものです。
- 特に思い入れのない古新聞、古雑誌
- 有効期間の終わったDM・チラシや案内書類
- 終わった各種案件書類の一部
よく届く案内書類も、自分が該当者でないものは不要です。将来必要になる可能性があるなら残してもかまいませんが、新しい版が出たなど、情報が古くなれば処分してください。インターネット上でダウンロードできる場合も、紙のものは処分してください。
各種案件書類の一部で、保管の必要がないものや将来見返さないものも処分します(残すものは後ほど解説します)。終わったイベントの参加申込書や案内が該当します。提出した事務書類も、控えは残しても記入要領は不要です。
相手方の連絡先を紙で残したい場合も、封筒と中の送付書などで、情報が重複していることがあります。この際は、一方を処分するとスリムになります。(なお、連絡先が封筒にしかない場合、封筒全部はかさばるので、必要な部分だけ切り取り、関連書類の差し支えない箇所に貼ってしまうと管理しやすいです。)
なお、「不要な紙類」の中でも、個人情報がある等、シュレッダーにかける(あるいは、溶解処分する)必要があるものは「シュレッド」のカゴを作っておき、不要と判断した際にそこへ入れてしまうことをおすすめします。全て「不要」でまとめてしまうと、後でもう一度見返してシュレッド要否で分けるのが手間です。
要確認のもの
捨てても大丈夫か、調べないとわからないものは必ず出てきます。例えば、次のようなものです。
- ほぼ使わない取扱説明書(ネット上にもアップされていたら、ダウンロードしてデータ保管すればよいため)
- 各種契約書や証書、控えなどで、保管期間が分からないもの
- 自分以外の家族のもの
このように、すぐに判断できないものは、出てきた都度調べるのではなく、いったん「要確認(保留)」のものとしてまとめておきます。後でまとめて調べると効率がいいです。
残すもの
残す紙類の例は、例えば次のものがあります。
- 保管期間内の各種契約書や証書、控え
- これから参照する/提出する書類やその案内、記入要領
- 思い出品として残したいもの(受験票、子どもの作品、手紙など)
しかし、必要とはいっても、全て紙のまま保管しているとかなりの量になります。そこで、各々が次のいずれにあたるかを判断します。
- 書類の原本の状態での保管が要るもの
- 原本は不要だが、記載されている情報は残すべきもの
契約書や証書は原本で残さないといけませんが、例えば
- 自分でとっておいた提出書類のコピー
- 何かの申込みの受付番号控え
など、原本でなくても内容が確認できれば大丈夫、というものなら、書類をスキャンまたは撮影し、画像データだけ残して紙本体は捨てるのがおすすめです。
ただ、データさえあれば大丈夫なものでも、保管期間が短く、データにする方がかえって手間だったり、保管期間は長いけれども、紙の方が使いやすい場合もあります。例えば、
- これから提出する書類の記入要領
- 見返すことが多い家電の取扱説明書
などは、「紙で残して、保管期間を過ぎたら処分」が楽ということも多いでしょう。その場合はそうして大丈夫です。処分を忘れていても、「保管場所が詰まってきたら、要・不要を見直す」ようにしていれば、不便もないのでOKです。
もちろん、保管期間が短い書類でも、例えば行事のプログラムなどは、スマホで撮影した方がなくさないですし、外出先でも確認できて便利です。スペースとの兼ね合いをとりつつ、使いやすいかたちを選んで保管する、ということです。
残さなくていいが、何となく捨てられない/不安な書類は?
例えば保証期間を過ぎた家電の保証書など、理屈の上では処分しても構わないけれど、捨てるのは不安という方もいます。手紙なども、手放してもいいと思っているけど、完全に捨てるのは気が引ける…そんなこともあるでしょう。
そんな場合は、「捨てる」と「そのまま残す」の間をとって「スキャンや撮影でデータだけ残す」のをおすすめします。
全て捨てることに慣れるのは大変です。まずは、紙本体を捨てて、データのみ残すようにするだけでも、部屋はすっきりして、片付けの恩恵を受けられます。データは、気持ちが追い付いてから削除するので大丈夫です。ものを手放すのを重ねていくうちに、だんだん「消しても大丈夫だな」と思えるものが増えてきます。
書類・紙類の片付けを楽にするために、日々したいこと
書類は目を通すのに労力がかかる分、一度溜めてしまうと、片付けも重い腰が上がらなくなりがちです。ですので、普段からなるべく溜めないようにできれば楽です。
とはいえ、忙しい毎日では、ファイルボックスに放り込むことすら「後で!」となってしまうこともあります。そんな状況では、「綺麗に片付ける」までできなくても、
- 明らかに不要なものだけ省いておく
- 大事なものが行方不明/対応できなくなる事態を防ぐ
さえできれば、充分合格ラインです。
具体的には、日常で次のことをしておきます。
- 不要と即決できるもの(行かないお店のチラシや、期間の終わった連絡プリントなど)は古紙コーナーへ移動
- 封筒に入ったものはすぐ開ける(期限や保管の要否はすぐ確認)
- 提出などの対応が必要なものは、それだけ集めておく(冷蔵庫に貼るのでOK)
- 提出などの対応は不要だが、一定期間とっておくもの(よく行く店の特典付きDMなど)や、保管書類のうち今はファイリングまで手が回らないもの などは一時置きボックスへ
これだけできれば、大事なものが埋もれるのはかなり防げます。
なお、特典付きDMなどを一時置きボックスに入れると存在を忘れる…という場合は、お店に行く際のかばんに入れる、冷蔵庫に貼るなど、「自分はここなら忘れない」という場所に移してください。
さらに
- 提出書類は期限ぎりぎりでなく、なるべく早く出す
までできれば、手元の紙を早く減らせるので理想的です。
書類・紙類の片付けは頭脳労働なので、気持ちの負担がない状態だと、よく進みます。ですが、他のものと比べて、気持ちの上で圧倒されやすいのも書類・紙類です。とにかく大量で焦ってしまう…そんな場合は、最初に明らかに不要なものだけでも抜き取ると、気持ちの余裕(スペースも)が確保できます。
本日は、なかなか捨てられない書類・紙類の片付けのコツについて、お話しました。
当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。