奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。
捨てずにいると、気がつけば、かなりの枚数になっていることもある紙袋。片付けるご本人は、「もったいない」となかなか捨てられない…
本日は、そんな紙袋の整理を進めるためのアプローチと、片付けでの活用法について、お話したいと思います。
紙袋を見直し、整理するためのアプローチ
「まだ使えるから」でとっておかれることが多い紙袋。まずは次のようにアプローチし、余剰分を減らすのを目指します(減らせなかった際のことは次章でお話します)。
- 「何に使うか」を具体的にしていく
- おおよその使用枚数を振り返る
- 仮でいいので保管場所を決め、そこに収まる量を上限に設定
それでは、順に解説していきます。
「何に使うか」を具体的にしていく
特に、「もったいない」だけでとっておかれている場合にしてほしいのですが、紙袋を何に使うかを、片付けるご本人に確めてみます。
おそらく、
- おすそ分けをしたり、借りたものを返す際の入れものに
- 荷物が多いときのサブバッグ代わりに
などが定番かと思います(片付けでの使い方は、次章で触れます)。
これからその用途で使う、と場面を具体的にできれば、使える大きさや、材質、状態、デザインが限られてきます。
- 薄い素材だし、借りたものをここに入れて返すには微妙かも…
- サブバッグに使おうと思ったけど、原色のデザインだし…もっと目立たない方がいいな
- 少し傷んでるし、人に渡すのには使えないな…
といった具合です。
そして、実際に使うのが難しいものは、手放す方向で考えてもらいます。その場ですぐ捨ててもらうのは無理でも、「実際に使うなら…」と考えてもらうだけでも前進です。
おおよその使用枚数を振り返る
ざっくりしたもので充分ですので、とっておいた紙袋を、実際にどれぐらいのペースで使っているかを振り返ってみてください。
週に(あるいは、月に)何枚ぐらい使っているか
を見ます。
手元に60枚あるが、週に1枚も使っていない…となると、1年は52週なので、これから手に入れなくても、1年以上もつことになります。
ご本人が、
「必要になるかもしれないし、その時になかったら不安だから、とっておく」
となりがちな場合は、このように
今ある分を、今のペースで使うと何年(何か月)もつか
を具体的にすると、不安が和らぎ、ストックが増えるのを抑えやすくなります。
仮でいいので保管場所を決め、そこに収まる量を上限に設定
「紙袋はここに収まる分だけ」と、仮でも収納場所(とそれに伴う上限)を決めてしまうと、際限なく増えるのをくい止められます。(紙袋だけでなく、同じ場所の他のものも合わせて片付けている際は、場所を決めるのも難しいのですが…)
もし新しく紙袋が入ってきたら、既にあるものと比べて、使いやすい方を残すという具合です。我が家でも、紙袋は保冷袋・手提げポリ袋と合わせてここに収まる分だけ、と制限しています(写真右)。
ただ、「ここに収まる分」といった枠を、生活面でも最適なものにするのは難しいことです。不足や過剰がない量が入る、他に収めたいものとの兼ね合いもとれる…など、本当にきちんとしようとすると大変です。しかも、一度設定しても、生活スタイルが変われば、事情は変わってきます。
まずは、
「とりあえず、ここに収まる量を上限にして、後は調整していこう」
で充分です。収納スペースは、ストイックになりすぎず、
「これだけあればまあいいか」
とご本人が思えるあたりから設定します。いきなりファイルボックス1つ分、などから始める必要はありません。紙袋より優先すべきだ、とご本人も思えるものが出てきた際に、紙袋スペースを縮小するので充分です。
それでも捨てられない紙袋の、片付けでの活用法
前章のようなアプローチをしても、ご本人が「使っていないしもったいない」と手放せない場合は、片付けの中で次のように使い、消費していくのがおすすめです。
- 収納用品として
- 臨時のごみ箱代わりとして
- ごみを捨てる際の目隠し・包み紙として
- 古紙回収の際に雑紙入れとして
順に見ていきます。
収納用品として
持ち手より下でカットして、内側に織り込むと、箱のように使えます。高さを好きなように調節して作れるので便利です。我が家でも、ちょっとした小物収納に使っています。
紙素材の分、汚れに弱く、耐久性も乏しいですが、不織布ケースの代用としても使えます。
また、収納を試行錯誤する際も、活用できます。例えば、
- 新しく小物収納ケースを買おうか迷っている
- 紙袋で作ったケースを仮に使ってみる
- それで使いやすいなら本購入
という具合です。
臨時のごみ箱代わりとして
我が家では行楽でよく使いますが、きちんと立ってくれる紙袋は、ごみ箱にすると大活躍してくれます。片付けでも、臨時のごみ箱代わりに使うのはありです。
ごみを捨てる際の目隠し・包み紙として
透明や半透明のごみ袋にそのまま入れて、外から見えるのはちょっと…というごみはあります。余分な紙袋は、ごみ袋に入れる前の目隠しとして使えます。
お子さんの使っていたものを捨てる際などに重宝します。お子さんが「これはもう捨ててもいいよ」と言ったものでも、それがそのままごみ箱に捨てられていたり、ごみ袋の外から透けて見えたりすると、傷つけてしまうことがあります。紙袋を使い、うまく目隠ししながら捨ててあげるのがおすすめです。
また、そのまま他のごみと一緒に汚れて捨てられるのは忍びない…というものを捨てる際の包み紙にもできます。私は、長く愛用していたものを捨てる際は、紙袋で包んでから通常のごみ袋に入れています。
古紙回収の際に雑がみ入れとして
片付けを進めていると、かなりの紙類が出てきます。プリントや紙パッケージ、紙ファイルの表紙などの雑がみも、結構な量になります。地域や回収場所により違いがありますが、雑がみを紙袋に入れて出せる場合は、積極的に使っていってください。
もちろん、片付け以外の日常生活でも、雑がみはどんどん入ってきますので、そこでも消費できます。
紙袋は「ものは使ってこそ」へシフトするための、格好の素材
片付けるご本人が、
ものを実際に使うというよりも、「使わずにとっておく」ことが多く、しかも捨てられない…
という場合は多くあります。
こうした際は、ものとの付き合い方を少しずつ変えていくのが、片付けを成功させる鍵となります。その中で、紙袋は格好の材料になります。
ここまでで既にお伝えしたものもありますが、紙袋は次の特徴があります。
- 繰り返し使える回数が限られるため、実際に使いさえできれば、手放すまでの期間が短い
- 日常生活以外に、片付けでも消費できる場面が多い
- 無料で手に入れたものが大半なので、失敗を恐れずに使いやすい
- 処分しかない場合も、ほとんどは古紙回収でリサイクルでき、「無駄」にならない
このため、意識すれば、使って消費していくのは容易ですし、ご本人に「ものは使ってこそ」を実践し、慣れてもらうためには、もってこいです。
溜めてしまいがちな一方で、片付けを進める材料にもなる紙袋。皆さんもぜひ、活用してください。
本日は、なかなか捨てられない紙袋の整理を進める方法と、片付けでの活用方法について、お話しました。
当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。