奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。
家族の片付けを手伝っていると、ご本人の生活には不要に思われるのに、ご本人は「そのうち使うから」で手放せないものが出てきます。これらのものと、どうお付き合いしていくか…本日はそれをお話したいと思います。
罪悪感と反省は、片付けではよくあるけれど…
「何年も使われていなかった」→「なくても生活できていた」→「不要なもの、だから手放して大丈夫」はもっともですし、ほとんどの場合その通りかと思います。しかし、使わずに捨てるのは、勇気がいることでもあります。
「買ったのに使わず、申し訳ないことをした」「もったいないことをした」
…そんな気持ちに苛まれます。
それでも、大掛かりな片付けを経験した方なら、こうした罪悪感や、過去の衝動買い等への反省が出るのは、ごく当たり前と思えるでしょう。
余分な買い物が少ない人でも、片付けで何かしらの反省点が出てくることはあります。そして、それは特別なことではありません。
過去の後悔をしたり、自分を恥ずかしく感じる瞬間もあるかもしれませんが、片付けはこれらの痛みを経て進みますし、その中で、本当に必要なものを選ぶ目も磨かれていきます。
一方で、片付けるご本人が、片付けで罪悪感を感じたり、過去の自分の行動が不適切だったと思うのは耐え難いということもあります。長年片付けに取り組めず、溜まってしまったものの量が多い場合ほど、そうかもしれません。ものを不要と判断し、捨てるときに出てくる感情が耐え難いから、そのうち使うからと保留になっている…そう思われるケースはよくあります。
「実際に使い始めてみる」ことのすすめ
そんな状況にある方に、私がお願いしているのが、「そのうち使う」ものを「実際に使い始めてみる」ことです。
キャンペーンで買った健康食品、百均の便利グッズ、販促の粗品やその他のいただきもの…
結局捨てることになっても、一度でも使ったなら罪悪感は薄れます。
また、実際に使ってみて、自分に合わないのを実感できれば、手放しやすくなります。遠回りに思えるかもしれませんが、
「何年も使ってなかったから、なくても大丈夫な不要品だ」と使わずに捨てる説得をする
よりも、
実際に使う提案をする
方が、受け入れてもらいやすいと感じています。
そして、過去の失敗も、ご本人に無理が少ないペースで受け入れられていきます。
お得だ、よかれと思って手に入れたが、使いにくいし、本当は余分だった…
その現実は、実際に使う中で少しずつ、ゆっくりと受け入れられていきます。それでいいのです。
ただでさえ、買い物の失敗がわかるのは嫌なものです。過去の多くの失敗を一度に認めてもらうのは難しいですし、できたとしても酷です。受け入れ難いことを受け入れるには、ご本人のペースがありますし、現実にご本人のペースでしかできません。
将来の余分なものを減らす効果も
実際に使ってもらうことは、将来のものの持ち過ぎを抑える効果もあります。
ものを使い切るのは、意外と時間がかかります。サプリでも、一袋飲み切るのは何日もかかりますし、ポケットティッシュも、意識して使わないと出番がないこともあります。
それに気がつけば、ストックを増やしたり、セールの度に買わなくても大丈夫と思えるようになります。地道に使っていくのは長期戦にはなりますが、これを機に、ものを意識して使ってもらうことで、現在だけでなく、将来への効果も見込めます。
ちなみに、使い切るのが難しいものもあるでしょう。私は
「使うのがしんどいと感じたら、もう処分してください」
と、合わせてお伝えしています。自分の生活に合わないものとお付き合いし続けるのは大変です。ご本人の努力を間近で見た上で、
「ものへの義理は充分果たされていますよ」
と伝えてあげるのは大切です。
本日は、「そのうち使う」で手放せないものの片付けについて、お話しました。当ブログでは、引き続き、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。