捨てるのは怖い…そう感じる人の片付けで、褒めることの意味

奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。

片付けがなかなか進まないケースの中には、ものを自分の経験や成果の証のように感じてしまい、なかなか手放せないという場合があります。こうした際に、ご家族ができることとして、「ご本人の片付けへの取り組みを褒める」ことが挙げられます。本日はこちらについてお話したいと思います。

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「単純にモチベーションを上げる」以上の意味

頑張りを褒められると嬉しくなり、モチベーションが上がるのは当たり前のことです。けれども、ものを生きてきた証のように感じている方にとっては、それ以上の意味があります。

ものを手放すことで、今までの自分の成果や評価、人間関係が失われてしまう…そう恐れている方にとっては、ものを手放しても、そんなことは起こらないと実感してもらうことが大切になります。手放さないといけないものの量が多い場合は尚更です。

その中で、本人の片付けへの取り組みを褒めると、どんな効果があるのでしょうか。

「書類が多かったし、仕分け大変だったでしょ?ありがとう」
「頑張ってものを減らしてくれたし、出し入れが楽になった。助かったわ」
「本の売却先、サーチしてくれたんだね。仕事も忙しいのにありがとう」

片付けを進めても、自分の成果や評価をなくすことはないし、誰かが離れていくわけでもない。むしろ、実際は逆で、片付けることで評価されたり、家族といい会話ができる…

片付けに何かしら進展がある度に褒めることで、今までご本人が抱いていた悪い予想を、ゆっくりと覆していけるのです。褒めるといっても、大袈裟でなくていいのです。大変さをねぎらうだけでも充分です。

以前、以下の記事で、片付けを進めても悪いことは起きないと感じてもらうのは意味がある、と書きましたが、褒めることは、その延長にあります。

本心から言う

もちろん私も、片付けるご本人の努力を褒めたり労ったりしますが、その際に気をつけていることがあります。それは、「本心から言う」ということです。

ものを生きてきた証と感じる方にとっては、ものは自分の存在に関わるものです(もちろん、実際にはものがなくなっても、その方の存在や価値が失われたりはしませんが…)。当然ながら、捨てるように促すと必死でくい止められますし、普段は穏やかなのになりふり構わない言動になる、そんなこともあります。

そんな追い詰められた状況にある方から見れば、自分を思うように動かそうと心にもないことを言っている、などはすぐに分かってしまいます。相手が必死だからこそ、こちらも自分の気持ちに誠実でなければ、前に進めない…そんな厳しさがある。私はそう感じています。

できる範囲で、無理せずに

片付けが進まないことで、家族である自分も家に人を呼べないとか、ご本人のものが自分のスペースにまで入ってきて、不便を強いられている場合もあるかと思います。こうした経緯から、片付けが多少進んだ位では褒める気になれないという方もいらっしゃるでしょう。

褒めるのは、できる範囲で構いません。自分達だけでは険悪になる、とても進めそうにないと感じたら、第三者であるプロに入ってもらうことも検討してみてください。ご家族の中で、ご本人の努力を認めてねぎらうのが難しいなら、その部分を第三者に担ってもらってもいいのです。

本日は、片付けの中で、褒めることの意味についてお話しました。当ブログでは、引き続き片付け応援のための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。

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この記事を書いたのは…

メンタルケア心理専門士、整理収納アドバイザー1級。教育機関、自治体勤務を経て、2021年にアトリエめいを開業。 カウンセリングを重視した片付けサポートに取り組む。整理収納コンペティション2022にて最優秀新人賞を受賞。奈良県大和郡山市在住。

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