ものが多い家での、ものが増える原因別・片付けアプローチ

奈良のメンタルケア心理専門士・整理収納アドバイザーの本田一紗です。

実家がもの屋敷になっている…
友人の家と比べると、うちはものが多いようで、ごちゃごちゃしている…

そんな状況が気になる方もいるのではないでしょうか。本日は、ものが多い家について、ものが増える原因と、原因別の片付けでのアプローチについてお話したいと思います。

目次

家にものが増える原因

家全体にものが増える原因として代表的なものには、次が挙げられます。

  • 家族の人数が多い
  • 時間的・体力的余裕がなく、ものの整理や処分が追い付いていない
  • 「〇〇専用」など、用途が限られた道具を多く持っている
  • 「捨てる」という発想や習慣がない(特にいただきものや思い出品)
  • 散らかった状態に慣れてしまっている
  • 「お得」だと思ったら、本当は必要ないものでも買ったりもらったりしてしまう
  • 「いつか使う」で手放せないものが多い
  • 「もったいない」で捨てられないものが多い

どれか一つが原因、というよりもいくつかが合わさっている場合が多いでしょう。(もちろん、「これが大きい」というのはあると思いますが…)

次章で、それぞれへの対策を紹介します。

ものが増える原因別の片付けアプローチ

家族の人数が多い

家族の人数が多いと、持ちものも単純に人数分になりますので、ものは増えます。

子どもが生まれると、それまでの夫婦二人分の荷物に加えて、子ども服や育児用品が加わります。

シャンプーや歯磨き粉も、家族全員同じものでOKなら、お風呂も洗面所もものを少なくできますが、そういうわけにいかないことも多いでしょう。家族でも、生活スタイルや体質、趣味嗜好はそれぞれ違うので、ものが増えるのは仕方がないことです。

なお、今まで家族内で別々の種類を使っていたものでも、聞いてみると案外「一緒のものでもいい」ということもあります。

一家全員違う種類を共用場所に置く…となると、どうしてもものが多い分、場所が狭くなります(各々、自分の部屋から持参するスタイルもありですが…面倒ですよね…)。こだわりたいものかどうか、実際に聞いて確かめてみてください。一緒でOKのものは、今後一本化すると、それだけでものが減らせます。

家族の人数を減らすことはできないので、片付けのアプローチとしては

  • 家族全体に「本当に必要なものしか買わない、不要なものは持たない」を浸透させる
  • 「ものは現行の収納家具に収まる量しか持たない」といった枠を決め、それを守る
  • その枠を超えそうになったタイミングで、ものを見直す

という日々の努力で対処することになります。

家族が特定の種類のものを手放してくれないなど、シーン別の具体的な片付け方法については、当ブログの他記事でも各々取り上げていますので、ご参考にしていただければと思います。

時間的・体力的余裕がなく、ものの整理や処分が追い付いていない

片付け(要・不要の仕分け)でも、

家にある同じ種類のもの全体を見るまでもなく、不要と判断できるものを捨てる

のは、慣れれば隙間時間でもできます。例えば、

  • 行かないお店のチラシ
  • まず使わない粗品
  • 壊れて修理不能になったもの

を処分するといったことです。でも、例えば「小さくなった大量のベビー服を、手放すもの・思い出品として残すものに分ける」のように、

所持している同じ種類のもの全体を見ながら、残す・手放すを判断していく

には、まとまった時間が必要です。仕事や育児の忙しさで忙殺されているときに、片手間でするのは難しいことが多いでしょう。

日々の生活が忙しいと、こうした片付けはどうしても後回しにしがちです。でも、それでものがあふれ、生活に不便が出てきたら、もう仕方がないものと諦め、片付け用のまとまった時間を確保してください。

家族全体というよりも、特定の誰かだけ余裕がないという場合は、手伝える人(家族の中でも片付けに慣れた人)が手伝ってあげてください。なお、以下の記事で、効率よく進む手伝い方を書いています。

家族全員片付けが苦手だとか、片付けが得意なメンバーがいても喧嘩になって進まない場合は、プロに入ってもらうとスムーズです。

「〇〇専用」など、用途が限られた道具を多く持っている

特に料理道具をイメージするとわかりやすいですが、「ところてん突き」「シフォンケーキ型」「ポテトマッシャー」といった専用道具を持つことを選ぶと、どうしてもものは増えていきます。

もちろん、よく使うとか、こだわりがあって代用品だと満足できないものは、専用道具を持つのがいいです。私も、シフォンケーキが大好きでよく焼くので、かさばってもシフォンケーキ型は持っています。

シフォンケーキ型の中に、焼きあがったシフォンケーキが入っている。近くにはパレットナイフが置かれている。

でも、使用頻度が少なく、代用品でも満足できる分野の専用道具であれば、それらを手放すと、かなりものを減らせます。

例えば、じゃがいもはポテトマッシャーの代わりにフォークでつぶす手もあります。ポテトサラダは年に2、3回しか作らないし、一回の量も、せいぜいじゃがいも2個分…であれば、フォークでも充分でしょう。

今あるものを処分するのがしんどい場合は、まずは今よりも増やさないのを目指します。

これからは、専用道具の購入を考えたときは、

まずは手持ちのもので代用できないか考える・調べる

ようにします。

代用品なんてあるの…?と思うものでも、ネットで「〇〇 代用」と検索すると、意外と出てきたりします。

また、「これは便利」に弱くて、つい衝動買いしがち…という場合は、

「便利グッズ」に心躍ったら、お手洗いや本来の用事があったお店など、いったん他の場所を回る

ようにしてください。

以前に、お得に弱くものが増えやすい場合の対処法について書いた記事でも触れましたが、「買いたい気持ちを抑えこむ」というよりは、「興味が他のものに移るようにする」とうまくいきやすいです。

「捨てる」という発想や習慣がない(特にいただきものや思い出品)

特にいただきものや思い出品に関しては、そもそも「ずっととっておくべきもので、手放すなんてありえない」という方もいます。

ですが、人付き合いや家族の人数も多いなら、これらも相当な量になります。つらいことですが、全部を保管するのは諦め、厳選していかないと、部屋はものであふれ、機能しなくなっていきます。

ものを減らすのが必要なご本人が、これらのものについて

「処分という発想はない。生活を犠牲にしてでも残すべき」

と考えて疑わない場合は、時間をかけて「手放すのも選択肢」を浸透させていくことになります。

以前に以下の記事でも触れましたが、まずはその場で手放してもらうところまでは狙わず、中立的な情報として「手放すのも選択肢」と伝えます。考えを変えさせようとすると、話の内容を聞く以前に拒絶されがちですが、耳寄り情報があるよという程度なら、聞いてもらえる確率が上がります。

その後は、まずは該当の手放せないもの以外、つまり

  • ご本人が手放すことに抵抗が少ないもの
  • 家族の他のメンバーの持ちもので、減らせるもの

から、片付けを進めます。

大変ですが、ここでできる限りの努力をすることが大切です。万事手を尽くした上でなら、

今まで「聖域」扱いしていたものも、減らさないと厳しい

という現実に納得してもらいやすくなります。

なお、片付けが必要なご本人が、

本当は処分したい…

と既に思っている状況なら、もっとスムーズです。

本心では処分したいけれども、「非常識なことだし…」と思ってしまい、それがハードルになっているなら、「捨てても非常識ではないよ」と(できれば実例を出しながら)伝えてあげるだけで、前に進めたりします。背中を押してあげるのは大切です。

散らかった状態に慣れてしまっている

これは直接というよりは間接的な原因ですが、「散らかって不便な状態」が一度標準になってしまうと(特に床置きが普通になってしまうと)、ものが増えるブレーキがかかりにくくなります。片付いた状態に戻すには、エネルギーが要ります。

ここから状況を変えるには、まずは、

  • ご本人が「いくら何でも散らかりすぎかな…」と自分でも感じている場所
  • ご本人が不便を感じている場所(不便は、片付いていないせいと気づいていなくても)

を探します。そして、そこにあるものの要・不要の見直しから始めていきます。

ご本人は部屋を片付けているつもりだったのに、他人から散らかっている部屋扱いをされた…となると、やはり傷ついてしまいます。ですので、極力、ご本人と認識を共にできる場所を探し、そこから始めるのが安全です。

ご本人が、現在の「散らかって不便な状態」に疑問を感じておらず、難しい場合は、

  • ご本人のこだわりが少ない場所
  • 家族共用の場所

からトライするのがおすすめです。

「大切なところ(だとご本人が感じている場所)が、きちんとなっていない」

「自分(だけ)のせいで、片付けができていない」

と感じるのは、つらいものです。なるべく、そうならずに済む場所から進めます。うまくいけば、そこから他の場所に片付けが広がっていきます。

「お得」だと思ったら、本当は必要ないものでも買ったりもらったりしてしまう

これは、以前に以下の記事で詳しく解説したので、そちらをご参照ください。

「いつか使う」で手放せないものが多い

こちらも、以下の記事をご参照ください。

「もったいない」で捨てられないものが多い

こちらの場合も、以前に以下の記事で詳しく解説したので、ご参照ください。

状況を変えていく際の共通のポイント

最後に、ここまで紹介したアプローチを進めていく際の、共通のポイントを2つ紹介します。

ここまで見てきたアプローチの大部分では、ものを減らすことが必要な家族に

新しい見方や考え方を受け入れてもらう

ことになります。これは大変な作業ですので、基本、時間がかかると思った方がいいです。

そこで、次の2つがポイントになります。

ポイント1 : その場ですぐ受け入れてもらうことにはこだわらない

その場でこちらの意見を受け入れてもらうことには、こだわらないようにします。最短でも、受け入れてもらえるまで一週間ぐらいは見て、

次に片付けを手伝うときに、また聞いてみよう

ぐらいに構えます。その方が、喧嘩せずに済みますし、お互いに楽です。

ポイント2 : 同時並行で進める

原因ごとのアプローチは、それぞれ効果が出るまで時間がかかります。ですので、一つ一つ順にクリアしていくというよりは、

それぞれに同時に働きかけ、並行して進める

ようにしてください。

それぞれの種だけ早めにまいておき、ゆっくり育てていくイメージです。芽が出るまでかなり待たないといけないものもあれば、思いの外早く実がなってくれるものもあります。

本日は、ものが多い家での、ものが増える原因別の片付けのアプローチについて、お話しました。

なお、自分達だけでは進めるのが難しい場合もあるかと思います。その際は、第三者の手を借りることも検討してみてください(私が代表を務めるアトリエめいでも、片付けのサポートをしております)。

当ブログでは、引き続き、実家の親や夫といった、ご家族の片付けを手伝うための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。

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この記事を書いたのは…

メンタルケア心理専門士、整理収納アドバイザー1級。教育機関、自治体勤務を経て、2021年にアトリエめいを開業。 カウンセリングを重視した片付けサポートに取り組む。整理収納コンペティション2022にて最優秀新人賞を受賞。奈良県大和郡山市在住。

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