片付けで、ものを減らしたいのに、捨てられない…そんな状況はよくあります。
そして、そんな際に
- 「使っていなくても残していい」ものがあれば知りたい
- 本当に捨てるべきものなら、思い切って捨てられるようになりたい
このように思う方は多いのではないでしょうか。
今回は、ものを減らしたいのに捨てられない状況の方向けに、「使っていなくても残していいもの」について、また「捨てるべきなのに、捨てられない」時にしたいことについて、私見ですがお話します。
片付けでは「使っていないもの」は基本は手放すけれど…
片付けでは、ものを「要」「不要」に仕分けていきます。
それぞれのものについて、直近(私はだいたい過去2年で見ます)の使用状況を振り返り、
- 使っているもの(=要)は残す(ただし、そのものがあまり好きではなく、代用品もある場合は、手放すのはありです)
- 使っていないもの(=不要)は手放す
ようにするのが、オーソドックスな進め方です。
ですが、「使っていないけど、捨てられない」ことはあります。
そんな時は、気持ちが「ものを減らしたい」と「捨てたくない」の間で板挟みになりますが、
「使っていなくても、捨てなくていい(むしろ捨てない方がいい)」
場合もあります。次章でお話していきます。
「使っていない」けれど、残してもいいもの
片付けのため、ものを減らさなくてはと焦って捨てすぎると、本当は必要なものまで手放してしまったり、無理をした反動で何かを買いたくなったりということも起こります。
これらを避けるため、「使っていない」ものであっても、落ち着いて、次に当てはまるかどうかを確認してください。
- 気に入っている
- 使う予定がある
これらは残していいものです。順に解説します。
気に入っている
「好きでも、使わないなら捨てていくべき」という考え方もあると思いますが、私は、片付けの始めは、「使わないお気に入り」を無理に捨てるのは、避けた方がいいと考えています。納得せずに捨ててしまうと、後で同じようなものを買い直したくなることも起こります。
手放すのは、まずは好きではないものからです。それだけでも、片付けの効果、不要なものを減らす良さが実感できます。
すると、
「好きだけど使わないものを残す」VS「片付けを進める」
で、納得の上で片付けを優先できることも出てきます。
片付けの始めは、使わないお気に入りは、
・実際に使い始める
もしくは
・思い出品として保管する
のがおすすめです。ものによっては、ディスプレイという使い方もあります。
実際に使うならば、使用上の欠点があった場合に「好きだけど、やっぱり使いにくいし…」など、納得して手放しやすくなります。
思い出品として保管もありです。本来の用途は果たさなくなっていても、自分に元気を与え続けてくれるなら、立派に働いていますし、手放す必要はありません。
使う予定がある
使っていなくても、使う予定があるものは残してください。例えば、上のお子さんの育児用品や教材は、下のお子さんが使う時期まで劣化したり、内容が古くならないものなら残します。
もちろん、
- 現時点で傷んでいるなど、いざ使うとなると「ちょっと…」と感じる
- 使えるけどスペースをとるし、次に使うまで保管はしんどい。買い直しも、そこまで費用がかからない
といったものは、手放して大丈夫です。
悩ましいのは、傷みなどもなく、しかも「使うかわからない」場合です。
もちろん、収納スペースに余裕があるなら、そうしたものが少しぐらいあっても大丈夫です。でも、部屋が機能しないほどものが増えているなら、生活を取り戻すのが最優先ですので、手放したいところです。使うかわからない(しかも、なくても買い直しなどができる)もののために、大きな犠牲を払い続ける必要はありません。
とはいえ、これらを全捨て、まで思い切るのも難しいことです。まずは、下のどれかに当てはまるものでトライします。
- 数が多く、使うことになってもこんなにいらない(減数調整をします)
- 代用品がある(やかんは、片手鍋を代わりに使えるなど)
- 再入手が簡単で、再購入もそれほどお金はかからない
- 本当はあまり好きではなく、使いたくない
これだけでも、だいぶものは減らせます。
補足:ものの役割がはっきりしないうちは、捨てるのは避けて
もう使わないし、お気に入りというわけではないものの、捨てるとなると引っかかる…そんなものもあります。その際は、そのものが果たす役割や、使うならどんなことに使いたいかを、もう少し考えてみてください。
例えば、「日々のDoリストを書いたノート」が引っかかっているなら、その場で無理に捨てずに、何日か(もちろんもっと時間をかけてもいいです)かけて思いを巡らせます。必要な時間が経てば、
「修業時代の記録。頑張った証ではあるけれど、見てもひたすらしんどかった記憶しか出てこないし…手放してもいいかな…」
「今まではやろうとしても気が引けていたけど、やっぱり、これまでの自分の歩みをまとめてみたい。その際の資料に使いたい」
のように、自分の中でまとまってきます。特に再入手ができないものは、役割をはっきりさせた上で、捨てるか残すかを決めるのが大切です。
捨てるべきなのに、気持ちの踏ん切りがつかない時にしたいこと
次に、「捨てるべきなのに、捨てられない」時にしたいことについてお話します。
前章で解説したような「お気に入り」でも、「使う予定がある」ものでもないし、捨てるべきと頭でわかっている。でも、不安で捨てる踏ん切りがつかない…そんな時は、次のことをするのがおすすめです。
- 片付けで叶えたいことを思い出す
- 「少しぐらいの失敗はある」と割り切る
- 「捨てる自分」が、特別に悪い人間だと思うのはやめる
- 「捨てるしんどさは報われるもの」と思う
以下、順に解説します。
なお、片付け自体が「もう嫌」になってきている場合は、以下の記事をご参照ください。
片付けで叶えたいことを思い出す
片付けで叶えたいことを思い出すと、それが背中を押してくれることがあります。
- もの探しに追われる毎日を変えたい、心のゆとりを持ちたい
- グリーンを飾って、くつろげるお気に入りの空間にしたい
- 孫が来た時に安心して遊べるようにしたい
- 子ども達の作品を保管するスペースをつくりたい
特に、人を招きたい、その部屋で子どもが過ごせるようにしたいなど、自分以外の誰かのために、という動機が加わると強力です。手放して多少後悔したものがあっても、大切な人のためだったのなら、前向きでいられます。
「少しぐらいの失敗はある」と割り切る
「捨てて後悔したもの」を0にしようと思うと、身動きがとれなくなります。「失敗はあるもの」と割り切ると、かなり進めます。
片付けで手放すものの総数は、かなりのものになります。多くの場合、100個200個どころではありません。片付け後、捨てて後悔したものが数個あったとしても、
99%以上は適切に判断できていた
ことになります。
失敗確率が1%未満なら、充分うまく進めているといえるのではないでしょうか?
逆に、1%も起こらない失敗を恐れて全く進めないのは、もったいないことです。うまく手放せたものの方が、圧倒的に多いのですから。
未来の完全予測はできないので、失敗を0にするのは、どうしても無理があります。(私も、久しぶりに使おうとしたものの、「あっ、こないだ捨ててしまったか…」ということはあります。)
ですので、失敗を0にする代わりに、
「失敗したときの損が、本当に許容できないものかを考える」
ようにします。例えば、「後で必要になってまた買うにしても、せいぜい〇〇円で、自分にとっては激しく後悔するほどの額ではない」なら、手放す方向で考えることができます。
前章の、使うかわからないものの話で触れた
- 数が多く、使うことになってもこんなにいらない(減数調整をします)
- 代用品がある(グラタン皿は、耐熱ガラスの保存容器を代わりに使えるなど)
- 再入手が簡単で、再購入もそれほどお金はかからない
- 本当はあまり好きではなく、使いたくない
のどれかに該当するものなら、そもそも使わないか、捨てた後に必要になっても損は小さいので、失敗を恐れずに手放せるでしょう。ここから、トライしてみてください。
「捨てる自分」が、特別に悪い人間だと思うのはやめる
もの自体はなくなっても平気だけれど、捨ててしまうと、自分が悪い人間のように思えて、捨てられない…という場合もあります。
ものを捨てる際は、
- 必要ないのに、よく考えもせずお得だからと買っていた
- 筋トレグッズを買ったが、結局筋トレできないままだ
など、過去の自分の行動は軽率だったとか、ずっと何かを実行できないという事実を認めることが伴います。大変つらいことです。
ただ、これは片付けでは皆さん経験することでもあります。ネットで検索すると、自分の片付けの模様を綴るブログは多くありますが、それらを覗くと、
「お得だからと買って失敗した」
「やろうと思いつつ、いつまでもできなかった」
のが自分だけでないのは、すぐ分かります。
「反省しながら、ごめんなさいと思いながら捨てる」は、普通のことです。自分だけが、特別思慮が欠けていたとか、恥ずかしい人間だとか思う必要はありません。
使わずに捨てると、罪悪感が大きくてつらい…という場合は
- 実際に使う
- 売却・譲るなどの道を探す
ようにするのがおすすめです。現実にはやり遂げられなかったとしても、少しでも努力したのなら、ものへの義理は果たしたと思えます。
なお、「いただきものだから捨てられない」場合は、以下の記事もご参照いただければと思います。
「捨てるしんどさは報われるもの」と思う
ものを捨てるのはしんどいですが、あるところまで到達できなければ全く結果が出ないものとは違い、小さな努力でも必ず報われる世界です。次のように、少し手放しただけでも変わります。
- 読まなくなった雑誌1冊
→ 手放せると、詰まっていた本棚も本の出し入れができるようになります。 - 床積みのダンボール
→ 1箱なくなっただけでも、部屋の使い勝手はかなり良くなります。 - ハンガーパイプに掛かっていたハンガー3本
→ ゆとりができ、出し入れの際の引っ掛かりもなくなり、クロゼットが使いやすくなります。
「どれだけ頑張っても、合格点に達しなければ不合格で終わり」の試験などとは違って、やった分だけ必ず、しかもすぐに結果が出ます。それを思い出していただければ…と思います。
本日は、ものを減らしたいのに捨てられない状況の方向けに、「使っていなくても残していいもの」について、また「捨てるべきなのに、捨てられない」時にしたいことについて、お話しました。
当ブログでは、引き続き片付けのための記事を記していきます。ご興味のある方はチェックしてみてください。